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『 ろうそくの火 』 お兄さんはいい人だった 自分の力で未来を築く優秀な人だった。 だからその弟を 『 信用 』 した。 それが間違いだったと分かった時 人への期待が一気に崩れた。 人は 自分の利益の為ならこんな悲しい仕打ちが平気で出来るのか。 長い間 見て見ぬ振りをしてきたが まさかこんな最後の瞬間までも 『 裏切る 』 とは。 「 弟はそんな人間じゃない 相棒が悪いんだ 」 そう兄は言うかもしれない でも 兄はきっと相棒が誰であろうと そんな悲しい仕打ちが出来る人間でないと信じたい。 『 ろうそくの火 』はね 必ず消える時が来る その時まで待てなかったのかしらね 少しでも 心の底にすまないという気持ちが残っていたら 彼らはきっとその先からずっと苦しむことになる その心は神様が人間に与えた試練なの でも 悪党は悪党のまま死んでほしい 神様はこの二人を決して許してはいけない 私にそうしたように きっと 誰 構わず人を悲しませてる だって この二人は 優しげな仮面を被った悪党なんだから その仮面の下は誰にも見抜けない 私がそうだったように これからも言葉巧みに人を騙していくでしょう。 」 何時もの公園のベンチに腰かけている婦人は遠くを見ながら言った。 「 聞いて下さる 」 話したことはないが顔は知っていた 時々 会釈をするくらいの人 今日は 私の隣に腰掛けて話し出した。 話し終わると婦人は 真っすぐ私を見て 「 恩を仇で返すのは人間だけね 動物は決して恩を忘れない 」 そう言った。 「 聞いてくださってありがとうございました 心が少し軽くなりました 」 静かに歩き始めた婦人の後ろ姿に 落ちかけた夕日が寄り添っていた。 またです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年09月24日 23時38分45秒
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