愛媛(菩提) H23春遍路 柏坂峠
バスを降りた所が旧愛南村の中心部、旭屋のまん前だった。「あら~思ったより早かったわね。」と御かみさん。バスの力をかりました・・・へへ。ここは料理屋も兼ねているので、宿の作りが粋でそこかしこが広々としている。今夜のお客は男性遍路が3人と私。愛南町内海2階の広々とした部屋に通されて、ちょうど空いてるからと3階のお風呂を勧められる。「今日は一つしか沸かしてないけど、すぐ入る人はいないから大丈夫。ゆっくりはいってね~」お風呂は男用女用とあるけれど、今日は男風呂にお邪魔します、ペッコリ。広くてきれい、浴槽もジャグジーになっていて大きい、やった~♪肩こりにききそう~。すぐ入る人はいないから・・・という事は後に入る男性がいるんだね?でも、鍵がない。誰も来ない補償はない。<準備中>の看板を引っ張り出してきて入り口に置いて、脱衣室の電気は消しておこう。伸び伸びできるいい風呂だね~、カメラを忘れたのが残念だ。 いいねー。料理は評判通り美味しい♪愛媛に入ったらカツオのタタキともさよならなんだ。(淋)生ビールを頼むとジョッキで出てきて、こちらも美味しすぎる♪旦那さんと御かみさんが二人でマメに働いている姿、ありがたいです。つまみ満載^^夜もよく眠れた。休憩室にマッサージ機があって<いい男>さんが極楽~☆してたけど、私は保存療法にして布団でゴロゴロしていた。肩こりはだいぶ良くなったし頭痛の回数も減ってきたみたいで、多分軽いムチ打ちになったと思う。旭屋は他の宿よりも1,000円ほど高いけど、この設備や食事、洗濯機やマッサージ機が無料なのを考えると高くはない。又飲めそう^^朝飯はみんなで6時半にお願いした。愛媛ではハンペン(ジャコ天)がよくお目見えする。(左手前)初めて口にしたイタドリとハンペンの和え物も珍味。(左奥) 一人はすでに出発して、<いい男>さんとシルバーの<困った>さんと私。<いい男>さんは本人は知らないだろうが、どこででもみんなに<いい男>と呼ばれていて30才位でルックスがいい体育会系、1日に40キロ近くを歩いている健脚。御かみさんも交えて話しながら食べていたけど、どーもシルバーお遍路さんの話が・・・変。瀬戸内海の某島の方で一人でタクシーを頼みながらまわって来たらしいけど、物忘れがあって、今までの話を聞いてもしどろもどろ、さっき廻ってきた所もしどろもどろ・・・。隣の部屋だったけど迷い子になってしまうし、夜遅くまでゴトゴト、朝もはよからゴトゴト。自分でもボケてきて困ると言っていて、この先大丈夫か~?と私達は心配を隠せなかった。お金を取られたりしないか、どこかで事故にまきこまれないか・・・。御荘 菊川ところが、<困った>さんにとっては私達が歩いてお遍路をしている話が印象的だったようで、ご飯を食べたら一番先に荷物を背負って歩いていってしまった(@@) どっちへ?と、思ったら携帯電話がない!(焦)と戻ってきて、御かみさんが捜しまくり、カバンをひっくり返して・・・あった~。そして又、出発していった。ど=ぞ=! お大師さん。<困った>さんをお守りください。誰もおじさんをだまさないで。そして結願できますように、お願い! さてと、私も出発しなきゃ。バスで昨日の所まで戻りたいのに今日は休日時刻で調度良いバスがなくて困っていると、旦那さんに乗せて頂けることになった。御かみさん、ありがとうございます、私ってホントに・・・ぺコン。実と花が一緒ボリューム♪大♪の演歌が流れる仕事用のバンに揺られていると(wa、oh!)、無理して観自在寺から歩いてこなくてよかった、残り10キロは結構な坂とカーブの繰り返しで、もし歩いていたら陽が暮れて真っ暗になっていただろう、と思う。旦那さんがかつて村が真珠養殖で大もうけして「日本で一番お金持ちの村」と言われていた頃の景気のいい話をしてくれた。最近はエルニィーニョの影響があって駄目らしい。養殖いかだバスだったら1時間は遅い出発になっていた、御礼をして続きを歩き始める。この道3回目(照れ~)八尾坂峠バス停で休みながら、今夜の宿の予約を入れるが遍路仲間に聞いた宿は満室で親切にお断りされてしまった(><)平日だからと安気して3日目の今日は予約をしていなかったけど、やっと4件目が空いていた。これで宿を気にしないでのんびりペースで歩ける。 この辺りから越せそうで越せない男遍路さんが同じペースで前を歩く。どうも、私に負けじ!と意識して歩いているみたいだ、絶対。「こんにちは~」と挨拶。「車道と峠道、どっちをいくの?」と聞いてきた彼は腰が弱くて坂道が苦手、峠越えは避けているらしい。私が峠ばかりを歩いてきた話をすると意外だったようだ。タバコをゆっくりす吸う時が幸せ☆らしく「お先にどうぞ。」と言われて追い越したが、どこかで見た顔。(^?^)誰だったかなぁ。 柏坂峠へ旭屋さんに10時到着。荷物のお礼を言ってR56号線を離れて、右折、歩き遍路道に入る。柏坂峠はH470M、3時間で越せたとあるけれど、昨日<ポニーテール>さんは「私でも登りに2時間、下りに2時間はかかる。車道をいったほうがいいよ。」とアドバイスしてくれた。でもね・・・今日の峠はどんなかなぁ~。 柏坂峠前を男遍路さんが歩いているが、健脚で杖の鈴の音は段々遠のいていく。大丈夫、ゆっくり行こう。一人だと度々休みたくなり、旭屋さんで頂いた【愛南オレンジ】を食べる。このみかんはこの時期しか採れないジューシーなみかんとか。そこにさっきのライバル意識満万のお遍路さんが登ってきた。 内海港「あれ?車道を行くと思ってました・・・」「女のあんたが峠を行くと聞いたら自分が情けなくて情けなくて・・・、男がすたると峠を来ました。」面白い人だ。(笑ヾ) やっぱり何処かで会っている、どこだろう? 「運のよさそうな人にナンバーを選んでもらっているんだ。押してくれる?」と言うとカードを出してきた。<ロト6>の番号をポンポンと押して選び、四国から帰って買う時にその番号を選ぶらしい。(私は宝クジを初めその類は興味もお金もなくて、よくわかりませんが^^)「AH~! 徳島の【徳増】で会ってますよね。室戸岬までみんなで歩きましたよね~、ね。」「E~!看護婦さん?」そうなのだ。私達は2年前に掛け連れした仲だった。(21年春遍路 室戸岬 参照)その宿にはアメリカ人のヒッチハイク男遍路さんもいて、太っているために足への負担がだいぶかかっていて悲鳴を上げていた。私は持っていた湿布を貼ってあげたりマッサージをしてあげたので、みんなに<看護婦さん>とあだ名を付けられた。 柳水大師<ロト6>さんは年に1回づつ、GWの1週間に歩くからそんなには進めないので、私と偶然会うことが出来たのだ。これってすごい偶然なんだよ。四国に来て「一期一会」を再認識する。ルートや宿は幾つかあるから、出会う人とはやはり何かのご縁があると思うのです。1日、1時間、極端と思われるけど5分づれただけで、もぅ会えないことが一生会えないことが世の中にはあるんだ。登りの途中、地図にない車道と交差する「ところで、今までに押してもらった番号で大当たり~☆したことあるの?」お遍路毎に20人くらいに押してもらってクジを購入してきたけど、一度も当たっていないようで~(^O^)そして、今回も掛け連れすることになる。 注:駆け落ちではない、「掛け連れ」です。お遍路経験のない方、どうかお間違えのないように~、ペコリ。