穴禅定 無垢な気持ちでどうでしょう?
天とふや鶴の奥山おくたえて 願ふ功力に法ぞ通はむ慈眼寺は20番鶴林寺の奥の院。別格3番。標高550mの山岳霊場です。坂本から登ってくるときは見えなかったお寺が岩壁を背にして見えてきました。朝9時にバスを降りて慈眼寺まで登り、穴禅定を体験して麓に降りて、鶴林寺へと登り麓の宿に泊まる・・・地図の上だけで予定を立てたオバはん。先達さんに相談してみると、とても無茶な(^^;;と、アドバイスをいただきました。自分の歩力と述べキロ数をトンチンカンしてました。(〃▽〃)穴禅定は本堂から15分程の坂を登り、穴自体は40分程ですが前後の説明に各10分。15x2+40+10x2 スムーズにいったとしても1時間30分はかかります。バスの団体さんがいようものなら、かなりの待ち時間となります。先達さんは2.3時間待ったことがあるそうで、8時間もかかったとか、消防の人に助けてもらった、なんて話もあって、時間の都合であきらめる方も多いようです。ということで、1日目は慈眼寺で穴禅定をして<さかもと>に泊まる予定に変更しまたえ(〃´∪`〃)ゞ台風接近の影響でしょう、境内はひっそりとしています。まずはと梵鐘をついていると納経所の方から「穴へいかんかね?」と声をかけられました。後から来たカップルにも声をかけています^^余談ですが、この二人は全く穴禅定を知らずに入ったので、穴から出てきた時の二人の顔は忘れられません(〃艸〃)穴禅定に来た女性と同行する人を集めていたのですね。これで5人、一人千円となりました。「さあさぁ、お参りは後でいいから」と、早々に堂内で専用の上白衣に着替えて荷物を木製ロッカーに預けます。携帯電話・カメラ・眼鏡も置いていくようにと勧められますが、携帯はポケットへ。先達のおば様と15分程手堅い坂を登って行場の洞窟に行きます。あれ?おば様はさっき庭の草取りをしていた方ではないですか~穴禅定の仕事がない時はお寺の雑務をし、先達をするのはおば様ともぅひとりいて忙繁期は2人でまわしているとか。パンフレットにのっている白衣姿の先達さんは若き頃のおば様と思われます。穴に入る前にお参りをして説明を受けます。1本づつろうそくを渡され(2時間はもつでしょう)中に入る順番を決めます。祈祷にきた女性の徳島さん、初心者さん、私、若い女性、若い男性の順になりました。中に入ったら伝言ゲームの様に先達さんの言ったことを次の人に伝えます。<これはかなり重要です>赤茶けた鉄の階段を上がり洞窟に入りましょう。先達さんが入口の時計をチェックしました。穴禅定は約2憶5千年前にできた細長い鍾乳洞で、標高は700m位です。頭ひとつ分の幅しかない隙間もあり、体をくねらせてすり抜けて進みます。「ろうそくは右に持ち替えて、頭はそのままで~先に左肩左足・・・」「右を下にして~横向きで這って進んで~」中はろうそくの火だけです。わたし達は5人ですが、団体さんが続いたら先達さんの声は届きませんし、伝言が正確に伝わるかどうか・・・おば様は30人の先導をしたこともあるとか、難儀だったでしょう。境内には穴を通過できるかをチェックできる石柱があります。アタシはなんとか通れましたが、あの方は本当に通れたのかなぁ・・・太った方、背がとても高い方、体の硬い方、腰や膝に痛みのある方、閉所恐怖症の方・・・とても神秘的な行場ですが、誰でもお大師さまのところまで行けるとは限りません。距離にしたら100Mほど。途中に2ヶ所、鍾乳石の造形を見上げることのできる空間があって、先達さんがライトを当てて説明してくれます。「岩壁に阿弥陀如来、不動明王・・・」そのように見えてくるから不思議です。「ここはお大師さまが封じ込めた龍が頭上にいます。頭、牙、手足、尾。そしてほら貝」う~ん。確かに。一番奥には座禅修行のお大師さまが祀られています。そういえば、ここにも時計がありました。全員で般若心経を唱え、一人ずつ願い事を伝えると先達さんが献火して祈祷してくれます。徳島さんは家族や友人のお祈りを10程読み上げてもらい熱心にお祈りしていました。後ほど納経所でろうそく代を支払います。(1本100円)鍾乳洞の隙間を折り返し戻ります。先頭だった徳島さんは緊張のあまりか伝言が上手く伝えられずテンパッテしまったので、帰路は違う人が先頭に替わりました。帰りは冷静に進めました。一か所、道が上下になっている場所があり、行きは上を歩いて、帰りは下を這って通りました。この様な道だから一度に1グループしか入れないのですね。すれ違うことは出来ないし、中で混乱してしまうでしょう。ず~っと昔からこの形。不思議な空間です。携帯を持ち込みましたが、撮る余裕がなく、何より尊とすぎてレンズを向けれませんでした。洞窟から出て、時計をチェック。45分かかりました。「5人なのに時間がかかったねぇ~」とおば様に言われてしまいました。( ´艸`)アリャリャ入口には次に行場に入る夫婦が待っていました。お昼ご飯にしようとしたところへ私たち5人、そしてまた、おば様はお昼をとれずに穴へ入っていきました。中はこまめにほうきで掃除がされていますが、足元には蝋が垂れ白衣もズボンも水滴で多少は汚れます。支度を整え、御朱印を頂き、慈眼寺のお菓子もいただきました。貴重な体験が出来て満ち足りた気分で坂道を下り、灌頂ヶ瀧へ向かいます。