もっぷ道-season1３-わがままなおしゃべり

娘は　事務所でツンツンされたり　気分に波があって振り回されたり　これなら

作業をしていた方がマシと考え　休養している方の作業を代わってこなしたり　

事務とはあまり関係のなさげな講習に赴いたり　今後　はんだ付けの人員が足り

ないというので(娘は興味あり)はんだの技術研修にも出席する予定だった

とにかく事務所にいたくない　合わない

そこに　前々から娘は独立して家を出ることを口にしていた

たぶん周りの人に言われるのだろう

こちらとしては　夢だけでは生きていけない都会暮らし

罠や危険もいっぱいある

求人も収入も多いだろうが　その職場がまっとうな物かどうか見極める難しさも

ある

なので　じゃのし上がって本社の社長秘書にでもして貰ったら良いじゃない　本

社に移動になれば夢の一人暮らしも出来るでしょ  などと言い合っていた

でも　そんな例は無いようで　男性は転勤で違う県に行った事はある

本社から出張も度々あるし　転勤で来ている人もいる

だけど　事務って現地採用みたい・・・と娘

今って　大きな会社でも転勤をしない流れになっているよなぁ・・・リモートも

あるし

ただ　本社を見てみるのも良い　と先輩が勧め　出張を提案してくれていた

コロナも落ち着いたし　会社のお金で交通費が出るなら　何事も経験だから　出

張の日程が決まるのを　待っていた

それが　あまりに急な展開


　　　　　　　　　　　　　



事務員の席を譲って作業をしても良いと思っていた娘

事務所では　先輩と社員教育の為に転職してきたオジサンと　自分のやりたい事　

今後の目標などを話し合う場が定期的にあった

娘は　本当は簿記も独学で勉強しているので経理をしたかった

だけど　この会社は　経理はすべて本社管轄で　せっかく勉強していても活用で

きる場がない     そんな事も伝えていたらしい

そして　本社から出張で来る人を捕まえては　本社に行きたい　てへぺろ　と

おねだりをしていたらしい

もちろん　本気で叶うとは思っていない　　先輩が離さないと言っている




６月下旬　本社からも参加しての呑み会があった

娘は行き渋っていたが　本社との顔つなぎの意味もあって事務は全員参加と先輩

に言われて　嫌々出席した

行けば行ったで　あの子は空気を読んで周りに合わせる

本人曰く　キャバ嬢のように愛想よくしてきたらしい　



そして　７月上旬

本社とのリモート会議の場でだったらしいが　娘の３週間の本社出張が言い渡さ

れた

前回書いた娘の仕事のミスがあり　娘は観光気分の出張が消えたな・・・と思

っていた矢先

こちらの工場のトップも誰も知らない間に進んでいた人事らしい

１０日ほど前の発令だったが　その間二度の週末があり　バタバタ忙しなかった




離さない　と言っていた先輩

それが　何故・・・

そもそも　本社の経理を一手にやっていた方が退職をした

定年らしいので前々から分かっていた事なのに　後任が決まらない

応募もあったらしいが　御眼鏡に叶わなかったのか後任がおらず　このままだと

給料が出なくなる　とかなんとか　だから先輩も泣く泣く娘を放出した



そして　その旨を工場の会議で説明する為の草案した文書を娘に見せたという



まず　これまでの事務員の中で一番優秀だが　のりしろもあるし　本社に行けば

もっと成長できる　本人のやりたい仕事が工場では出来ない　だから自分が本社

に掛け合って今回の人事を通した・・・・とか

要するに　ビックリなことに　先輩が暗躍して娘は出張した

ちょっと違和感があるかもしれない

実は　出張のあと　一旦戻って正式に本社勤務になる

　　ーーー使い物にならないとレッテルを貼られなければーーー

そんな事を思いもしなかったので　娘はやり残した仕事も工場に(作業をしやすく

する為に工夫の途中だった)あり　出張の準備と本社とのやり取りと　怒涛のよう

な日々だった

でも期日は待ってくれない

家の諸々私物も置きっぱなしで旅立った