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テーマ:今日のこと★☆(106273)
カテゴリ:その他
土日を含めの三連休で実家に帰省しておりました。
お墓参りです。 忙しい仕事をしていた頃は、お盆に休みなど取れず お墓参りの為に帰れるのは 9月か10月だった事を思うと、環境の変化を強く感じます。 ところで、私の実家の隣に住んでいる近所のおばあさんが入院しました。 この方は私の祖母というわけではなく 仲良くご近所付き合いをさせて頂いている隣人です。 Tさんと言います。 今の実家の所在地にはモモマロが中学生の時に引っ越したので Tさんとは約20年のお付き合いをしている事になります。 とても人付き合いの希薄な近所の中で Tさんはとても仲良くしてくださいました。 もうお子さんたちは独立されて 御夫婦二人だけで暮らしてらっしゃいました。 小柄で、スリムなTさんは 母が、趣味で習っているヒップホップのダンスのレッスンで着られるような そんなテイストの服を、自然と着こなせるオシャレさんで よく「私はもう着ないから」と母と私に服をくださいました。 煮豆を持ってきてくださることもしばしば。 こちらも、父が魚を釣ってきたのをお裾分けしたり 私がお菓子を作ったらおすそわけしたりと 密なご近所付き合いをさせて頂いてました。 優しい方なので、回覧板を届けに行った時も よく玄関先で話し込んだものです。 そのTさんがもう、だいぶ長いこと入院してらっしゃると母から聞いていまして。 その帰省をを期に、お見舞いに行きました。 Tさんの旦那様は、若干痴呆症がはじまってらっしゃって Tさんの顔もあまり分からないし、一人で家にいてもらうわけにいかないので Tさんが入院なさってる間は、施設にいらっしゃるそうです。 実家に帰ると、隣のTさん家の明かりがついているのが見えて それは不思議と、安心感を得られる明かりだったのです。 それが、今は、ない。 何よりもTさんが好きなのです。 ご挨拶して日常会話をかわせる御近所さんというのは 物凄く物凄く大切だと思います。 特に、こんな時代です。本当に、大切です。 お見舞いに行くと、案内された病棟は 御年配の方々専用の病棟で、オシャレでかくしゃくとしていたTさんが ここにいるのかと思うと 時の流れを感じて、なんともいえない気持ちになりました。 ベッドに横たわるTさんを見て驚きました。 食欲がないせいもあるのですが もうしわけないけど、骨と皮だけみたいに痩せこけて… あのオシャレだったTさんが、栄養不良で肌も髪も荒れていて… きっと、いつものTさんだったらそんな姿を人に見られたくないのではと 私は一瞬、声をかけることをためらいましたが 長期入院というのは娯楽も少なくつまらないはず、 私が話し相手になることで、Tさんの気が紛れれば本望ですから 明るく病室のとびらをくぐりました。 Tさんは重い病気ではないのですが やはり、御年を召されて、風邪をひいただけなのに長引いて 色々とあって入院が長引いたそうです。 私が訪ねてきてとても驚かれた様子でしたが 非常に喜んでくださいました。 それは嬉しかったのですが 私に結婚をしきりに勧めて、 おいしいものややりたいこと、我慢しても仕方ない、 元気なうちに全部楽しみなさい、なんて言ったりして… お話は嬉しいけれど、やめてよTさん… 何かもう、会えないみたいじゃないですか… 結局一時間ほどおしゃべりをして 私は病室をあとにしましたが 最後、Tさんは起き上がるのも辛い身体を半分よじって 私の手を両手でつかんで握手してくださいました。 「ありがとう。本当にありがとう。元気でね」って。 私は満面の笑みで握り返して 明るく病室を出ましたが 何とはなしに、涙が止まらなくなり 帰りの道すがら、ただただ大粒の涙がボロボロこぼれて ブツブツと「Tさん元気になりますように」と繰り返していました。 これで最後なんてイヤだよ、Tさん。 絶対元気で戻ってきてください。 元気なうちが華。 とにかく後悔のない人生を。 我慢も良いけれど、我慢だけではつまらない。 楽しめることをいっぱい楽しんで。 この言葉が重く重く、大切な言葉として 東京に帰ってきた今でも私の頭の中で響いています。 ランキング参加中★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年08月16日 03時31分09秒
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