入院・療養回顧録~その4~
目が覚めた時、私はまだ手術台の上だった。無事に手術が終わったのだ。私は麻酔が切れるのが早くて、今回も麻酔科の先生が「しっかりかけとくね~」と言ってくれた割にはサクッと目が覚めた。もちろん、まだ朦朧とはしていたが、手術台からベッド、オペ室→エレベーター→病室までの道のりはすべて感覚があった。エレベーター前で両親の顔をみてVサイン。無事をアピールした。手術の後、一晩だけはリカバリー(回復室)というナースステーションから近い病室で看護師さんが状態を見守ってくれる。1時間に1回、血圧やら血中の酸素濃度、点滴などをチェックする。今回の術後の一晩は本当にしんどかった(T。T)もう手術はイヤだなぁ~と思うぐらいしんどかった。。。傷口の痛みは我慢できたのだが、寝返りをうった時に猛烈に襲ってくる吐き気にやられた。少し眠っては気持ちが悪くなって目が覚めるの繰り返し。何度も吐き気止めの薬を点滴から入れてもらい、長い、長い一晩を何とか越えた。朝、「昼前に少し歩いてみましょう」と看護師さんに言われる。前の手術の時もそうだったが、手術の次の日から歩かされる。どんどん動かないと癒着をおこすので、看護師さんはスパルタである。少しでも早くリカバリーを出て、自分の部屋でその日最終回だったNHK朝の連続ドラマ(再放送)を見たかった私は点滴台に掴まりながら、ヨロヨロと必死に歩いた(笑)無事に自分の部屋に戻れた私に看護師さんが一言。「お昼からお粥出ますから☆」ええっ~~!!昨日の朝から何にも口にしてないんですけど・・・お昼に出てきた食事はご飯こそお粥だったが、おかずはしっかり秋刀魚だった。無理っス・・・食べれません・・・。たった二口しか食べてないのに、その報告を聞いても看護婦さんは「夕食は普通食です☆」と動じない。「食事が取れれば点滴は外しますからね」最初はその言葉を信じてなかった。前回は1週間は点滴をしていた。いくら医学は進歩しているとはいえ、オペ翌日に点滴を外すなんて。抗生剤はどうするの?化膿するやん??でも、予告通り、夕食後の抗生剤の点滴の後、あんなに苦労してやっと入った針をあっさり抜かれてしまった(^。^;)じゃあ、きっと内服で抗生剤やね。と思っていたが、それもなかった。何にもなかった。忘れられてるのかと思うほど・・・(笑)3年の間に医学は目覚しく進歩し、現在は術後の抗生剤も最小限らしい。もちろん傷の大きさや病状によるだろうけど、私の場合は本当にしっかり食事をして、適度に動き、安静にするだけだった。抜糸もオペ後3日目で(これにはホントにびびった)先生は「もう退屈やろうから退院するか~?」とのたまった。最初はその言葉にびっくりしたが、入院していてもすることがないのが事実だった。薬はないし、抜糸をすれば消毒もないし、ないないずくしだ。先生はまだ居てもいいよと言ってくれたが、実家で療養することが決まっていたので、食事や身の回りのことに心配のない私はさっさと荷物をまとめた。かくして私は、オペ後4日目で痛い傷口を押さえながら、ヨロヨロ、フラフラと退院したのだ。ちなみに写真はオペ翌日の夕食。チキンのカレーソテーがメインだった。 デザートに巨峰もついてて結構ごちそう☆