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カテゴリ:スイス
入国審査というと、その国に来た目的やどのくらい滞在するのか、等々聞かれ、 入国のスタンプを押されるのが、よくあるパターンかと思う。 そう考えると、スイスの入国はとても簡単だ。 入国カードも書く必要がないし、パスポートコントロールで日本のパスポートを見せると 「コンニチハ~」 と言ってくれ、質問もなければ、スタンプもない。 スタンプを楽しみにしている人には、がっかりだろう。 私が2002年初めてチューリッヒ空港に降り立ったとき、実はそうではなかった。 いわゆる入国審査でありがちな質問を受けたのだ。 「目的は何ですか?」 「観光」 「どのくらいスイスに滞在しますか?」 「2週間程」 「どこに滞在しますか?」 「友人の所」 「友人はどこに住んでいますか?」 「○○」 てな具合だった。 そしてスタンプも押された。 そのときは、それが当たり前だと思ったけど、 後から質問もスタンプもないのがフツーらしいと聞き、私って??と思ったわけだ。 イギリスの入国審査は厳しいと言われている。 2002年の旅で、ベルギーからフェリーでイギリス・ドーヴァーに降り立った私は、 かなり手ごわい入国審査を受けた。 ほとんどの乗客はEUのゲートをパスポートの表紙を見せるだけで、通過して行った。 若い男性と私だけが、「その他」のゲートの前で待っていた。 EU圏の乗客が全て通り終わると、検査官がこちらのゲートにやってきた。 もう一人の男性はすんなり検査をパスし、次は私の番。 「イギリス上陸の目的は何ですか?」 「友人を訪ねるため。」 この回答はイギリスの入国には正直好ましくない。 イギリス滞在や就職を助ける人がいると思われるから。 わかっていたが、思わずそう言ってしまった。 そこから根堀葉堀の質問が始まった。 職業、今日の滞在場所、今後の旅程、今までのルートなどなどを聞かれ、 所持金も提示するように言われた。 パスポートの過去の訪問国もチェックされ、3年前のイギリス入国のスタンプ、 NZのワーキングホリデーのビザ、これらを見て、 検: 「あなたイギリスで働くつもりですか?」 と聞かれた。 私: 「だから~、何度も言うけど、今日はユースホステルに泊まって、 明日ロンドンの友人の所に行く。会いに行くだけ。その後は湖水地方に行く。 ただの旅行だから、働く気は全然ありません!」 検: 「湖水地方には友人がいますか?」 私: 「いません。ユースホステルに泊まります。」 検: 「湖水地方の後はどこに行きますか?」 私: 「スコットランド経由で北アイルランドに行き、アイルランドを周ります。」 検: 「アイルランドの後はどこに行きますか?」 私: 「ロンドンの友人の所に一度戻ってきて、スイスに行きます。」 検: 「では、スイス行きのチケットを見せてください。」 私: 「Easy Jetだからチケットないのだけど。 スイス行きじゃないけど、日本に帰るチケットなら持っているけど。」 とそれを見せると 検: 「これだよ、私が見たかったのは。ご協力ありがとう!」 と、かれこれ15分の質疑応答で、やっとスタンプが押された。 一時、これで私の旅も終わりかとも思った。 最初から日本に帰るチケットを見たいって言えばいいじゃないか、と腹が立った。 笑顔を見せる検査官に向かって、私は思わず「ふーっ」とため息をはいた。 ヒースロー空港が一番入国審査が厳しいと聞いていたけど、 フェリーの港の方が厳しいというのを、後から聞いた。 大陸から簡単に入ってこれるから、言われてみればそうかもしれない。 それに小汚いバックパッカーだった私、きっと資金稼ぎで働く気がある、 と思われたに違いない。 スイスからの出国もラクである。 パスポートを見せると、「アリガトー」と言ってもらえる。 でもね、私とことん身なりが小汚かったんでしょうか? 飛行機にこれから乗るぞって所で、臨時に出ていたパスポートコントロールで 止められた(爆) 検: 「スイスに住んでいるのですか?」 私: 「いいえ」 検: 「スイスにはどのくらい滞在したのですか?」 パスポートのスタンプを見せながら、 私: 「7月のこの日にスイスに入国して、はい、これスタンプ、 2週間後に電車でオーストリアに抜け、はい、これスタンプ、 9月にベルギーからイギリスに入国、はい、これスタンプ、 11月にスイスに戻ってきたんだけど、スタンプありませんでした。 1月にアメリカ行って、はい、これスタンプ、 アメリカからスイスに戻ってきたとき、スタンプありませんでした。」 検: 「で、トータルどのくらいスイスに滞在したのですか?」 私: 「2ヶ月位です。」 検: 「はい、結構です。よい旅を!」 フツーは押してもらえないスタンプのおかげで、いろいろ証明ができたみたいなもの。 いいんだか、悪いんだか。 それにしても、入出国のラクだと言われているスイスで、 入国時も出国時も質問を受けたのって、私だけ? 私の周りでそんな話聞いたことないのですけど・・・ 私、飛行機乗るとき、ラクちんな格好をするんですよね。 それがますます貧乏くさく見せるのかな? 特にあのときは、バックパッカーだったし。 ある人がエレガントな格好をしていると、入国審査がラクだと言っていたけれど。 あれ以来、私はややこしいのはゴメンなので、スイスに入国する際は、 パスポートと滞在許可証を一緒に出します。 そうすると、「コンニチハー」じゃなくて、 「グリュエッツィ」 (スイスドイツ語でこんにちは) と言ってくれます。 あれはあれで、 「おっ、スイスに帰ってきたぞ」 って気がして、なかなか気分がよろしいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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