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カテゴリ:純米酒
にごり酒を、一般的に云えば、醪(もろみ)を粗ごしして火入れをしたお酒のことです。
韓国のマッコルリや、モンゴルの馬乳酒がルーツだとも云われております。 マッコルリで思い出しましたが、先日、ある酒場で、妙齢のご婦人の方が、マッコルリのことを「モッコリ」と発音されておりまして、「姫、お気持ちは分かりますが、如何なものでしょうか?」と思わず教えてあげたくなりました。 この方は全く存じ上げない方でしたので、私は黙っておりましたから、また別の場所で「モッコリ」と可愛く発音されることだと思います。 「物持ちが良いですね」と云うべきところを、若い女の人が「モチモノが良いですね」と云ってしまって、「キミ、どうしてそんな事まで知ってるの」と突っ込まれたお話と一脈通じる、あまり笑えない実話ではあります。 それは兎も角として、実際、にごり酒として販売されるお酒には色々なタイプが存在するので、漠然とした理解の方が多いので、もう少し詳しく述べてみたいと思います。 日本酒の醸造過程の後半部分で、どこで出荷するかによって、そのお酒がにごり酒なのか、清酒なのかが決まります。 すなわち、蔵のタンクの中では、米や米麹などが溶けてミルク状に白濁した、所謂、醪(もろみ)が発酵を続けています。 そして、やがて醪をしぼって清酒と粕に分けますが、1回では、まだこまかい米粒や麹がいっぱい浮遊しています。 従って、これを静かに放置させて、上澄みと沈殿した滓(おり)に分ける訳ですが、この作業を2、3回くり返し、最終段階で濾過をしてきれいな、本当の意味での清酒になります。 その中間過程にあるお酒のことを、広い意味では全て「にごり酒」と呼ぶのです。 濾過するずっと前の段階にあるものから、肌理が粗い布などで濾過過程は行う「うすにごり」まで、その出荷される段階は様々なのです。 勿論、原材料や酵母の影響も大きいですが、甘くとろっとした舌ざわりのものから、すっきりした呑み口のものまで、にごり酒の味わいが幅広いことの一因として、出荷過程の多彩さも一役買っています。 春先、その年の新酒の出来を占わせるかのように、店頭に並ぶ「にごり酒」を口に含んで、まだ青い禁断の未成年を味を熱く語ってみませんか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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