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一気に読んで寝不足になりました。そのくらい内容が濃く、惹き付けられていくのを抑えられなかった。母と娘の愛憎問題は私が天から与えられた宿題かのように付きまとい、今度こそ答えが見つかるかと必死になって血眼になって主人公の運命に共に翻弄されながら読みました。祖母、母、娘。みんな性格が全然違う。私は最初の祖母の飲み込んでしまおうという気迫の異様なまでの娘への執着、狂気とはすぐそばにあるのだと震える思いで読んだ。私にとってはこの祖母のシーンが一番強烈だった。
花柳界のことも、実は祖母がそういう世界にいたと聞いているので、どのような事情で売られていくのかと悲しみや共感、そしてプライドをもつべきだと改めて思いました。でも差別されていたことは知っているし、だからこそ悲しい。深く深く共感しました。 貧富は連鎖することが多いかもしれないが時代にも大きく翻弄される。成功も失敗もある。残念なことに子孫のために残したい財産はうまく受け継がれていかない。与えられるのは生きる力のみ、それは豊かな母性愛に包まれて育つのが一番近道とも思うが行き過ぎは飲み込んでしまう母性愛ではなく狂気の世界なのだ。 宿題の答えはまだ出ない。娘を愛せない母親も当然いる、ということだけ。 着物の世界が鮮やかに、香りを持って華やかに迫ってくる長編小説だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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