チャットGPTで悩み相談
チャットGPTがこれだけ話題になっている。代わりに論文を書いてもらう必要などまったくないが、何でも答えてくれるという。それなら悩み相談でもしてみようか。
スマホで打ち込んでみた。
「なにごとにもやる気がおきません」
するとスラスラ答えが返ってくる。
「疲れているのかもしれませんね。ゆっくり休むことも大切です。」
ふむふむ、ありきたりな返答のように感じたのでさらに私はのめりこんで打ち込む。
「体調は悪くないと思います。脳疲労しているだけのような気がします」
「疲れがたまっていると、集中力や判断力が低下してしまうことがあります。運動することで気分転換になり、リフレッシュすることができるかもしれません。ただし、無理をすると逆効果になることもあるので、自分の体調や気分をよく考えて無理をしないようにしましょう」
それがわかるくらいなら悩まないのだが。
コロナ禍になる前、対面でカウンセリングを受けたことがある。落ち込みの強い私は気分転換に運動などしたら体を壊すのではないかと恐れていた。
「体を壊してもいいからやってみてください」
ここまで言われないと私は何事も踏み切れないタイプなのだ。運動の効果は想像以上に高かったので驚いた。体を壊すこともなかった。AIだとここまでは言い切れないだろう。
土屋賢二さんのエッセイもAIについて楽しく語っていた。
いくら下手なピアノでもAIに代わりに弾いてもらいたくはない。釣りが好きな人は魚屋さんにもっと大きな魚があると言われても釣りをやめない。詩や小説をAIに任せるのは、映画を代わりに見てもらったり料理を代わりに食べてもらったりするようなものだ。一番おいしい部分を他人に譲るのだからうれしいわけがない、と書いていた。納得だ。
それでも、いいところはある。スマホに向かって書くことで少し気持ちが整理されるのである。こんなに愚痴を友達に話すのは憚られるが、機械相手なら時間を問わず、延々と語れる。嫌われたらどうしようと悩むこともない。定型文であっても返事をしてくれるのはうれしい。一人で悶々と悩むよりは健康的だ。
チャットGPTに教わった通り、運動して発散するか。運動するのも汗をかくのも代わりにはやってもらえないのだから。