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テーマ:好きなクラシック(2318)
カテゴリ:音楽
今日は METのライビュで『セビリアの理髪師』を見てきました。
もちろんいつもそうなんだけど、今回もキャスティングの素晴らしさ❗️ フィガロの頭のいいチャッカリおとぼけ男っぷりがバリトンのペーター・マッティが演じて、この人のためにある役かなと思うくらい。 ファン・ディエゴ・フローレスのキラキラと輝かしい声と超絶技巧がアルマヴィーヴァ伯爵の高い身分にぴったり。 ジョイス・ディドナートは前に見たヘンデルのアグリッピーナでは狡猾な悪女を演じていたけれど、セビリアの理髪師では恋に落ちる乙女役。 まぁ、年齢的にちょっとだけ無理があり、アグリッピーナのほうが素晴らしくハマっていた。が、歌唱はやはり見事。 一番の重要人物の扱いは悪役の医師バルトロを演じるジョン・デル・カルロ。 彼を中心に物語と笑いが進んでいくと言っても過言ではない。 もう全てがこのために生まれたのかな?ってキャストばかり❗️ ロッシーニらしく、超絶技巧の聞かせどころ盛り上げどころだらけ。 この時の舞台は歌舞伎の花道のごとく、オケピットの前に幅1メートルほどのせり出し舞台になっており、そこを活用した演出でした。 すごく印象的だった場面がふたつあって、ひとつはテノールのファン・ディエゴ・フローレスが見事なアリアを花道で歌い切ったあと、満場の客席からの大拍手とブラボーの嵐を全身の細胞に染み渡らせるように両手を広げ数分間じっとそれを受け止めていたシーン。あぁ、オペラ歌手はこの瞬間のために全身全霊を込めて打ち込んでいるんだろうなぁと。 もう一つは医師バルトロと彼に仕える耄碌した召使い(歌わないで演技のみの役者さん)その二人が楽屋から舞台に行くまでも、役のまんまなんです。じいさん召使いはどこか変なとこに間違って入ろうとしたり、それをバルトロが服引っ張って戻したり、それはカメラが入っているからのサービスなのか、それとも役に入り込んでいるからなのかはらわからないけど。なんか、ベテランふたり、さすがの余裕だなぁと。 喜劇を成功させるのは演者が真の巧者でないとね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月22日 20時53分24秒
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