|
テーマ:親心・・・。(836)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「ネグレクト」という本を読みました。 21歳の両親によって、3歳の女の子が自宅のダンボール箱の中で餓死していた事件のドキュメンタリーです。 以前からこういう虐待事件の背景を知りたいと思っていたのでかなり勉強になりました。 こういう事件があった時よく言われるのが「周囲はなぜ気が付かなかったのか?」という事。 そして私がいつも思うのは「子供を虐待して死なせてしまうくらいなら施設に入れればいいのに」という事。 その謎が少し解けた気がします。 この事件の場合、周囲は気が付いていました。 それを知って、特に父親側の祖母は特に3歳の真奈ちゃんの面倒は見ていたと思います。 が、母親の「おばさん(祖母)に預けると真奈が甘えるようになる」で祖母に会わせなくなる。(2歳で甘えを許されないなんて…) 発育の遅れた真奈ちゃんを外に出すのが恥ずかしいから、自動車学校に行っている間下の子は託児所に預けるのに真奈ちゃんは一日中自宅に放置。(当時2歳だよ~!!) そこには「こんな未熟な子がいると母親失格と思われる」と言う心理が見え隠れする。 その間にたんすの服をひっぱり出したりすると殴る蹴るの暴行。 部屋の隅に囲われ、パンとミルクをテーブルの上に置かれたまま疎外され、手を縛られダンボール箱の中に閉じ込められたまま3歳の誕生日を迎え、泣けば箱ごと蹴られ、3歳で5キロの体重で亡くなってしまった。 冒頭に書いてある真奈ちゃんの遺体の様は、涙なしで読めないです。 これまでして「殺す気はなかった」とよく言えたもんだ! そして母親から父親への手紙の内容も「災難があったけど拘置所を出たら前向きに頑張って行こうね♪」(本が手元にないので原文ではないけど正にこんな感じ)という風だったり、(殺害当時3人目を妊娠していたが)お腹の子が真奈ちゃんの生まれ変わりだと、真奈ちゃんへの虐待をリセットするかのような言い方…。 全く自分たちの罪を分かっていない物で腹立たしい。 ただこの母親、父親にもそうなるべくしてなった生い立ちがあります。 母親は正にネグレクトされた子どもであり、食べなくても生きてこれた経験を持つことによって「食べさせなくても死なない」という意識があったみたい。 そして父親は強い母親の影響で自分に不利な状況になると解決することなく逃げてしまう性分を持ってしまう。 他の同情すべき点も本の中にあるのですが、だからと言って真奈ちゃんをこんな目に合わせていい理由にはならないのです。 この21歳の夫婦のように子供を餓死させてしまう事はそうそうないかもしれないけど、この夫婦の様な子供に育ててしまう状況は、今の世の中にかなりあるんじゃないかと痛切に思いました。 辛い内容ですが、読んでみて色々な意味で為になった本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|