『21グラム』 命の重さ
『21グラム』人は死んだ時に、魂の重さの分の21グラムだけ体重が軽くなるという。クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)は、夫と2人の娘と幸せに暮らしていたが、3人を交通事故で失ってしまう。轢いたのは、前科者のジャック(ベニチオ・デル・トロ)。更生し、神を信じて真面目に働いていた矢先の、不注意による事故だった。そして亡くなったクリスティーナの夫の心臓は、移植を待っていたポール(ショーン・ペン)の命を救う。そこから徐々に、クリスティーナ、ポール、ジャックの3人は、引き寄せられるように近づいていく。21gにしちゃぁ、重い映画だったなぁ。序盤は、3組の家族の過去、現在が交差して進んでいくので、誰が誰なのかを理解するので一生懸命だったけど。でもだんだん物語が進んでいくにつれ、少しずつ絡まった糸がほぐれるように、パズルが完成するように、3人の距離が近づいてくる。その見せ方と、最後に全てのピースがはまり、1枚の絵になった時は、快感を覚えました(笑)。でも、ポールがそこまでクリスティーナに惹かれた理由が、イマイチ。夫の心臓もらった恩返し?にしちゃぁ濃いし。って、ジャックがクリスティーナの夫を轢かなかったら、心臓もらえなかったわけだし。感謝しろ、とまでとは言わないけれども。それともSFでよくある、「臓器移植をしたら、その人の気持ちまで乗り移る」ってヤツ?ブラック・ジャックにも、そんな話あったよな。しかし、ほんとにそんなことってあるのかしら?なんてまぁ、科学的には、否定されることだろうけど。そして臓器提供者の情報も、いとも簡単に、いや簡単ではないんだろうけど、手に入れようとすれば手に入るもんなんだねぇ。まぁ人の口に戸は立てられないしね。私もドナーカード持ってるけれども(薬漬けなので使えるかは不明だけど)、人の役に立ちたい!というよりは、死んですぐ灰になるよりかは、少しでもリサイクルしてもらった方が、なんか得した気分だよな、という軽い気持ちから。随分と宗教色を強く感じたけど、一応ミッション系の学校に通ってたから、もちろん聖書も読んだことあるし、クリスチャンの彼氏と一緒に教会にも行ってたし、宗教のテストではいい点取ってた私だけども(SF好きなのでね(爆))、それでもやっぱり「神への想い」は、理解できないんだよね。感じるのは、「神」って便利な存在だよな、ってこと。何があっても、神様のせいにしちゃえばいいんだから。と、ここには3組の妻が出てくるんだけど、そのうち2人の妻には全く感情移入できなかった。まずポールの妻(シャルロット・ゲンズブール)は、人工授精をしてまでも子供が欲しいと言うんだけど、なぜにそんなに子供が欲しいのか?ポールの心臓移植も、子供を得るためとしか思えないし。「あなたのことを愛しているからよ」って、心臓移植手術を受けたばかりの夫に対する態度じゃなかったぞ?でもシャルロットは、相変わらずコケティッシュでかわいかったけどね(爆)。ジャックの妻も、ジャックが事故を起こして「自首する」と言ったら、「ばれてないんだからやめて」って、いやいや、ほんとに愛してたら、自首をすすめるんでは?アクシデントなら仕方ないんだし、逃げた方が罪が重いんだし。取り乱したからかな?とも思ったけど、拘置されたジャックを、弁護士を雇い釈放したところで、ただ単に自分と子供の生活のためかよ、と感じてしまったので、同情の余地なし。とまぁ、メインストーリーから外れてる、そんなところが気になってしまいましたが(笑)。死ぬのも生きるのも、自分の意思ではどうにもできない、東洋でいう「輪廻転生」をリアルに表現してるのかな、と感じた映画でした♪【参考】 21グラム 公式HP goo映画 21グラム 日本臓器移植ネットワークHPThe great business of life is to be, to do, to do without, and to depart. ―John Morley生命の崇高な務めとは、生きること、為すこと、耐えること、そして、絶えること。 ―ジョン・モーリー♪本日のBGM oasis whatever映画レビュートラックバック記事:21g [21グラム]@relax room diary「21グラム」@prisoner's BLOG「21g」@tatsumu.net SHOW21グラム@くさってもブラピ21 g 以上に重い映画@Sonic Death Monkey映画 「21グラム」@今日もjokigen