MOといっしょに

うーん。

山は終わった・・・。という感じの仕事。

とはいえ担当はキューバさんなので私は単なる下請け業者だったが

それでも大きな山は突然終わった。

その仕事はあまりに壮大で私は山の頂上をみては

「うへぇー・・・。」となって涙が出そうだった。

何度も声を大きくして言いたいが

私はその仕事を1月からひそかに持っていて

その膨大なデータをすこしづつ

アリの巣をつくるようにちょこちょこ始めたいとキューバさんに申し出た。

私は努力の人間なのだ。

夏休みの宿題は計画だててきちんと仕上げる人間なのだ。

最後の日に初日の日記を書くキューバさんとは人間がちがうのだ。

しかし彼は即座に却下した。

まず先人たちが作り上げたその膨大な資料やらデータやら

ものすごいエクセルの絵巻を

彼自身で一度全部壊して作り直してからでないと

私という下請けさんは使いたくない

というのが彼のポリシーだった。

しかし連日連夜彼の仕事は多く

いつまでたっても、そのエクセル絵巻を紐解くことに至らない。

業を煮やした私や、それを作り上げた先人や同僚が何度も忠告するも一切無視。

ところが先月20日を過ぎたあたりに

突然部長がその膨大な仕事はどうなっているのか彼に聞いた。

同僚曰く今のままでは最低3ヶ月かかるので8月になるであろうというそのプロジェクト。

彼はしらーっと「来月真ん中には発表します。」と言い放ち

課全体は「・・・・・・。」

となった。

「ふぅん。じゃあキューバくん来月海外出張ついてきて。」

「了解しました。」

またまた課全体が「・・・・・・。」

おいおい。うそでしょう？

この山のデータをいったい全体あんたどうするんだね？

無理！

絶対に絶対に絶対に無理！！

私もバイトさんも目を剥きながら首をふった。

そしてその日の午後から私たちの地獄は始まった。

私たち二人に一人2万円以上するという晩御飯を約束して馬車のように仕事をさせた。

しかしもちろんそれ以外の仕事もある。

そしてそのデータの処理は猛烈にだるい。

電卓とエクセルと電卓とエクセル･･･。

1時間すると集中力が失われていく。

するとキューバさんが飴を投げるように

「アイスクリーム買っておいで。」

とか「ケーキ買っておいで。」とお金をくれる。

私たちはそれにつられて子供のように再び集中する。

という生活が10日ほど続いた。

しかしキューバさんのがんばりについても述べなければならない。

20日から彼はおそらく土日ももちろん返上で家には着替えとお風呂以外帰っていないとおもわれる。

なぜなら夕方私たちが帰った後

その膨大な資料の山が次の日必ず

日中二人がかりで処理した以上に書類が減っているからだ。

真剣に病気を疑ったほど彼の集中力はすごい。

5時間くらいは横でどんなに話しかけても聞こえないくらい集中して仕事をする。

そしてついにたったの10日でその仕事の山場は越えた。

これから何度も校正校正が入るだろうが

今月　記者発表します！

発表したら報告します。翌日の新聞をみてね。

うへぇ。