尺八関係者の反論望む。
母親の演奏会に行く。とはいってもメインは尺八、琴の手伝い要員として出演しているということで実家の近くのホールに向かう。 関節が年齢と琴の長年の演奏のおかげで爆弾になりつつある。あと何回まともな演奏が聴けるのか?と考えるとたとえ4曲だけでもと観に行く。なんだか遺言のような扱いだが。 出演時間までまだ時間があったので実家で父の暖めたカレーで昼食。さすがに会場で匂ったらいやなのでビールは自粛していたが誘惑に負け軽く1本。肌がべたつく季節にエビスビールはうまい。酔ってヤジでも飛ばしますか?と軽口をたたきながら味わう珠玉の泡。 やや早めにでて母の出ていないものも何曲か聴く。がっかり。尺八にキレがない。ひどい琴もあり、演奏の間に父が思わず「五重奏じゃなくて誤重奏だろう」と軽く毒を吐く。おいおい。 邦楽のコンサートを聴いて思うのが、楽器の可能性をはじめっからあきらめている人が多いということだ(断言)。最初から「おさらい会」という意識でやっている。頭にくる。みんながみんな扱える楽器じゃないんだからホコリ高くやってほしいのだが。音そのものにもっと豊穣な可能性があるのに。客がいけないのか。 起承転結がみられない曲構成に怒り。シロウトの耳で「あーそこ!もりあげるところでしょ」とツッコミいれつつ聴く。古典戯曲をやっていたときに感じる怒りと似ている。ちゃんとやればおもしろいんだからさーちゃんとやってよー。 さらに途中の幕間の挨拶を尺八の会長だかなんだかがでてきてやったがさらにがっくり。学校の授業でとりあげられるようになったという報告をだらだら聞かされる。なんなんだ。もっとミのある話をしてくれ。 いよいよ母の番。 ぽつりぽつりとはじまる静かなイントロ。まったく関係なくしゃべりつづける近くのじじいに頭きてガンをとばす。と、父が「つまみだそうか?」というのであわてて「いいよまだ」というが曲が進んでも喋りつづけるジジイにさすがにキレた父「静かにしてくださいっ!」といって収まる。 よくみたら蝶ネクタイをしているから演奏者のひとりである。なんなんだ。演奏する経験があれば演奏中喋る意味がわかるだろう?演奏そのものは手前味噌でなくある程度よかっただけにジジイの暴走に怒り。音がすすむにつれて客の背筋がすこしピンとしたものになったので身内としてはうれしかったが。 醤油や野菜を貰って帰宅すると母より礼の電話あり。しょぼい演奏会だったねえというと(←ひねりなし)、「だから誘うか誘わないか迷ったのよ」という返事。「あれでも職格者(看板あり)だけなんだけどねえ」というので「じゃあ尺八やろうかなあちょろそうだし」といってみる。 ちょろくないのはわかってるんだけどさ、いわせないでくれ。(♂)