夏の終わりのバラードといい秋といい。日本人はウェットなのが好きだね
「自衛隊指揮官」(瀧野隆浩/講談社+α文庫)を読みながら出勤。 防衛大卒から一転して新聞記者になった著者の情に溢れる(流されているといういいかたもあるが)文に涙。「歩兵の本領」(浅田次郎)のリアル版か。自衛隊の歴史の中で数少ない作戦行動。法律と政治的思惑でがんじがらめの中で我慢に我慢を重ねてなんとか現実にたちむかおうとする現場の指揮官の姿。頭が下がる。 自分の涙を考えたときになんで泣けるのか考えてみた。武士道といったら美しい言い方すぎるが。たぶん日本人が(と一般化していいのかはともかく)忠臣蔵を好きな理由といっしょだろう。 縛られながらたぎる想いであるとか、剣をぬくにいたる過程であるとか。報われてもどこかやりきれない想いであるとか。忠臣蔵がそうであるようにガイジンが読んでも矛盾だらけであるという部分しか理解されないだろう。 かといって美談に終わっているわけではない。鋭い指摘が並ぶ。「問題になるのはいざというとき命令する立場の善良な市民である」「軍人たちにはわれわれにはみえない部分がみえる」これだけ緊迫しているのだからとりあえず仕事の邪魔はしない体制をつくってやれよ。命かけてるんだから。 仕事が少なかったのでそうそうに退社。本屋をうろつく。「自衛隊指揮官」に影響されて「日本の特殊部隊」というミリタリー雑誌を読んでみる。こんなもんだれが読むんだと思っていたが。読んでんじゃんオレよ。「実弾をこめずに邦人救出訓練。それで実際できるのか」「米軍はこういう動きをするが自衛隊はこういう視点に欠けている」などの容赦ない指摘あり。マジメな批評は意外。つい「かっこいい装備だぜー」みたいなことしか書いていない偏見があった。買うのは踏みとどまる。よかった。操は守れた(意味不明)。 ハチクロのDVDを探して放浪。見つからず断念。ところでこれ実写化ってどうなの?キャスト表からいえば竹本=櫻井翔、はぐ=蒼井優か。キャストによってはけなしてやろうかと思っていたが監督と加瀬亮に期待。アニメじゃないけどあんまりグラデーションかけないでほしい。クサいから。 帰りのバス、窓の外に公園でムキになって花火をやる若者集団を発見。そんなにいそがなくたって夏はまだまだ逃げないよお若いの。キミたちの日焼け跡とともに夏は去るのだ。なんてね。 夕食はトリとピーマンの炒め物+味噌汁。(♂)