ZURUZURU
乗り換えの駅にて。 自分が降りる階段の前の中年女性(少なくとも自分より年上)が、コートのヒモをひきずっている。 コートの紐。あの背中というか、腰からぶらさがっているアレだ。ゆるんでいるのだ。あんなもんなんでぶらさげとるんだ。扱えないならとれ。 ああ、言ってやらなきゃ。あなたのコートがどうなろうと知ったこっちゃないが、後ろの人が踏んで転びますよ。転びますよ。転びますって。 活用にならない活用を繰り返しながら階段を降りていく。 現時点で後ろの人はちなみにオレだ。 踏まないけどな。体育2だけど。 一歩一歩。時間がすぎる。 よしいうぞいうぞいうぞいうぞ と往年の新興宗教みたいなことをくちずさみながら近寄ろうとした刹那。 彼女はトイレに入ってしまった。 嗚呼。 待ち伏せしてわざわざいうのもアレなのでそのまま帰る。 家まで彼女は一筆書きを続けるのかしらん。ヒモの先に、たくさんの人生がひっかかることだろうよ←大げさ。(♂) なんとなく、脳内を流れたメロディはこれ↓ チューリップチューリップ『青春の影』