消耗
朝、鞄を網だなに載せて吊り革にぶらさがっていると、ミニスカカーディガン姿のお姉さんが隣にやってきた。
年齢としては自分と同じぐらいか。痩せ型。手には日経。踏まれたら痛そうなハイヒール。
でかいバーキンを網棚に載せる。
こういうタイプはつまらないことで怒り出すタイプだろう。
といらん人事評価を考えながらぼーっとしていると彼女の鞄が倒れた。
ばたん。
はたして予想どおり、私の鞄の上に。
どうしますか?
1 おもむろに彼女の鞄を戻す
2 舌打ちしながらこちらの鞄をひっこぬく
3 様子をみる
1をやると警戒心が発動しそうだ。2をやるほどストレスを抱えてもいない。よって3にしたわけだが。
動きはない。
満員電車が恐ろしいのは息遣いからいらいらが伝わってくることだ。
若干こちらの妄想は入っているけれど。
はたしてしばらくするといまいましそうに鞄を直した。やれやれ。
そのままでいった場合、次になにを警戒したかといえば自分の降りる駅で鞄をとりだすタイミングと言葉である。
すみません、か。失礼!か。無言はだめだろう。
朝おきてから誰とも喋っていない。どちらがすらすらいえるのか。
・・・どっちでもいいのだが。
などと、あれやこれや考える。こんなに小市民なのになぜ痩せない自分。(♂)