ニコラス・ハイトナー監督「センターステージ」
2001年の作品。名門バレエ団のアカデミーに入った若者たちの群像劇。才能が9割9分の世界。熾烈な競争を勝ち抜きアカデミーに入っても入団が認められるのはごくわずか。訓練の過程であるものは摂食障害に悩み、ある者は脚の形を理由に最後通告を受ける。ある者は脂肪のつきかたにダメ出しを受ける。という厳しい陰の部分と、迫力ある舞踊シーンには感銘を受けた。全員が踊ることが好き、というのが一貫しているのもいい。が。あとは「青春」「恋愛劇」というより才能に恵まれない下半身の緩い馬鹿女がこれまた女にだらしない振付師とうまいことやる話にしかみえなかった←下品ですまぬ。漫画っぽい展開ってだいたい笑って許せるのだが男女関係がステップアップに影響するのはダメだ。大奥とか、ケータイ小説を読んでいる気になる。無理矢理男女関係の話をつけたした、みたいな安さだ。無理に禁欲的にする必要もないのだが地道に積み上げる部分をもっと描いてほしかった。そういう点、反抗的な黒人の子が夜中に誰もみていないところでひとり踊る場面はよかった。こういうのがみたい。それでもバレエの迫力がそれらすべてをうわまわるといってもいい映画。保存するかどうか考え中。(♂)