雑感その3
田口くんのことは書けません。いろいろ考えたけど、無理には書けないのでやめときます。 解散するとき出た本に、松本隆先生が「こんなヤクザな業界から足洗って、米屋をやれよ、米屋を」(ヒデキの実家は米屋だった)というメッセージを寄せてて、当時は「ひどいことを言うなあ」と思ったもんだが、大人になった今なら松本先生の言いたかったことがわかる。 親心みたいなものだよね。 ヒット曲が出たことでこの世界に巻き込まれた若者たちの行く先を気にかけてたんだろう。 バンドブームのころカッコいい側とされてたバンドの曲も今聞くと演奏とかアレンジとかそれほどでもないなーとか。 レジェンド級バンド某だってソロになってからのボーカル曲はまんま歌謡曲じゃん、とか。 楽曲やバンドコンセプトに合わせて衣装っていうかコスチューム揃えたり髪の毛の色ハデにしたりとかって、今普通じゃん、とか。 30年前の彼らが「コミックバンド」「アイドルバンド」「歌謡曲バンド」とか言われて、何であんなにディスられなきゃいけなかったんだ!世間の人に「C って実はすごかったんだね」って言わせたい~!と思って身悶えしているファンがおそらく全国にいる。 ええ、ここにも。 別に「口パク」「当てふり」「カラオケ」自体がダメなわけじゃないんだ。現在のテレビそんなんばっかりでしょ。例えばパ●ームとかジャ●ーズが歌い踊るのを見て口パクを断罪する人はいない。だからこれは見せ方の問題。 C のどういうところを見せたらカッコいいかって考えたら、超イケメン揃いではないんだし(←失礼)、やっぱりライブ感あふれる演奏をする姿がステキなわけで。レコード音源でテレビ出演でガッカリしちゃったのはたぶんそのへんのこと。 そう考えると、プロデューサーの仕事って大事なんだなと、大人になって仕事を持ってようやくわかった。 本人がどう見られたいかと、他人から見て魅力的なところは一致してなかったりする。魅力を最大限生かしきるにはやはり客観的な第三者の目が必要。セルフプロデュースの場合もよほど冷静な判断が要求される。そしてプロデューサーであることとアーティストであることは正反対の資質。というわけで、最近興味深いのは松木さんの活動。 アーティストであるとは、ビジネスとは別次元の、生き方のことなんだと感じている今日この頃。