白髪交じりのシンデレラ
中学の同窓会にいく。 会場の手配から諸連絡まで幹事の細やかな気遣いに感動&感謝しつつビールをあおる。 最後に当時の写真がスライドで流されたのだが、これがなかなかよかった。 ちなみに自分はまったく写っていない。 だれかの個人的な写真なのだろうが、男子はなんとか(=ア●ヒビールのビルのデザイン)座りをしているし、女子は前髪に命かけてます!みたいなところが80年代まっさかりで。 よくみせようとせいいっぱい背伸びしている感じが中学生らしくいじらしい。もっといえばかわいい。 驚くほどどんなことがあったかまったく思いだせないのだが、カメラからあふれ出る自意識に当時の自分を重ねたりして。これはこの時代、この年代にしかとれない写真なんだろうと思う。いまぐらい1億総カメラマンになってしまったら撮影に対してもっとゆるくなるだろうし、いまぐらい歳をとってしまえばあそこまでみせかたに真剣になれない。時を切り取ったというのはこういうのをいうのだろう。 不思議だったのは意外と当時しゃべれなかったひとも会話できるということだ。 あのころといまとの間になにがあったかはどうでもよくて。 あのころの後悔と、現時点での自分とのはざまでもやもやしないのも意外だった。 感覚としてはアルバムをめくるのに近いのかもしれない。想い出と今だけがある。とくに隠す必要もないし、盛る必要もない。 正直コミュ力はこのときとほとんど変わらないような気がする(自分はダメなほう)。 オープンになれるひとはいまでもオープンだし、シャイなひとは大人になってもそれだ。 変わらない安心感。 翌日になればきっとみんな日常に戻るのだ。 後日送られてきたDVDには当時の合唱コンクール音源が収録されていて笑った。どいつもこいつも驚くほどヘタだ。だが頑張っている。 いま聴こえてくる歌声といっしょなんだろう、たぶん。(♂)