映画「ボヘミアン・ラプソディ」 感想
信用できる映画館で、「極上音響上映」でみてきた。 彼らのことを知ってるか知らないかで言ったら圧倒的に知らないでみにいきましたが無問題です。 フレディ・マーキュリーの出自と栄華と孤独を追う。音づくりに熱くなるレコーディングとかライブのステージに出るその背中とか、創作やパフォーマンスの舞台裏をみるのはなぜこんなに心動くことなのか。 本当の名前を捨て「フレディ・マーキュリー」になる過程を苦々しくみる父親と「芸名よね」ととりなす母親。それでもどうしても新しい名前を手にいれるフレディ。どの気持ちもわかるだけにそのやりとりが痛々しい。 名声が高まることで深まる孤独。素晴らしい家を建てても一緒に食事をする人がいない。飼い主を見失ったチワワのような不安な瞳が忘れられない。孤独を埋めるように「ロックスター」的な乱痴気騒ぎに溺れるところは大分マイルドに描いているんだろうと思ったが。 迷走したり微妙な表現だったりバンドを続けていく間にはいろいろあるよね。それらの迷いを経てもかわらない魂みたいなものがロックなんだなって感じた。 音楽へのこだわりを貫くためだけでなく驕りや勘違いで周りの人を切り捨てバンドメンバーとも仲違いしてしまうフレディが一度だけ言う「please」がずっしり残る。 随所に出てくる本当は気が弱い男だと感じるシーンはロックスターとしての強力なイメージと対照的。それだけに強い目力をサングラスで封じて出てくる場面が印象的。 「極上音響上映」ライブの場面での高音が突き刺さるように体に届く感じと足元と下腹に重低音が震える感じがとてもライブっぽかった。あと、ブライアン・メイのギターの音がエモいということはどうしても言いたいです。 全編に登場する楽曲のもつパワーとライブエイドでのパフォーマンスが全てをもっていくので是非映画館で。