笠浩二「The Acoustic 2022」@BLUE MOOD 20220426 19:00
笠浩二「The Acoustic 2022」@BLUE MOOD 20220426 19:00 笠浩二(Vo)知野芳彦(G)森藤晶司(Pf)松木隆裕(Perc)仮谷克之(B)メンバーお写真→笠さんの公式ページ音楽が人の心に響くのはどんなときなのだろう。勇気づけられたり、元気になったり、時には共に泣くこともある。ただときどき思うのは、気持ちがパサパサに乾燥していて、音楽による潤いが入っていかないときもある。共に泣くことができるような心の状態があるかと自問自答する日々もある。 会場で配信で、笠さんの声が届いた人の心をどれだけ潤しただろうかということを思った今日のライブ。今回はピアノとアコギとアコベ、カホンとパーカッションのアコースティック編成で、笠さんはイスに座って歌唱するスタイル。だからこそ際立つ歌と声の魅力。 イスに座って、今回はスタンドマイクなので、笠さんの両手が、手拍子をしたり、自分のヒザをたたいたりしてとるリズムが、客席の私たちと共有する感じがとても良い。ドラムが前になくても自然に手が動いちゃうのだろうなと思った。今回のように歌に専念することで歌詞の意味や表情をより意識した表現になっていると感じたし、時には両手の手ぶりで歌の世界を表現しているところも出ていたことはとても新鮮で素敵だった。「二人きりで〜」という歌詞のところで指を2本出したところで悶えていた女子は私の他にもいたぞ。バンドだとどうしても楽器の音に声が紛れてしまうが、アコースティック編成であることで、伸びやかで、昔の曲も原キーのまま歌える奇跡の歌声をじっくりきくことができた。 C-C-Bとしてのラストアルバム「信じていれば」収録の「もう、遅すぎて」。21世紀にこの曲をライブで笠さんの声で目の前できく日がくるとは夢にも思わなかった。嬉しい、とはちがう感情なのだが、その胸いっぱいの感情は涙となって尽きず溢れた。実は私の某アカウント名はこの曲にちなんでつけたのだ。どうしようもない悲しみに満ちたこの曲のイメージと、2015年に彼らに「再会」した自分がどうしようもなく遅すぎたのではという気持ちとでその名を選んだ。 田口智治さん作曲・編曲、そしてこの麻亜一花という作詞の方は、当時雑誌パチパチのC-C-B担当だった森田恭子さんということはC-C-Bファンはみんな知っているが、なぜ作詞をしてもらうことになったのかはどこかに書いてあったのだろうか、今となっては確認するすべがない。 この曲は当時のツアーでは演奏されていないらしい。ライブバージョンは某動画サイトで私もきいたことがあるが、それはFMラジオで放送されたライブでの演奏だ。今回ステージ上で笠さんが「それ、オレ歌ってないよね?!」松「いや、笠さんが歌ってました」というぐらい、当時ほとんど演奏されていない「もう、遅すぎて」。静かな中に複雑な旋律の美しさを感じる演奏が素晴らしかった。 C-C-Bの活動当時、ライブ中に笠さんがドラムを叩く腕の動きの中で、脱臼ということなのだろうか「腕が抜ける」ことがしばしばあったという。それに対して渡辺英樹さんがライブ中にベースを弾きながら近づいて来て「今腕抜けたろう?!」「ちゃんとオレは気づいてるよ」「ちゃんとフォローしたよ」などと声をかけてくるのだが、それに笠さんは「ムカついちゃった」のだと言う。 今日出たエピソードは1つなのだが、何度も何度も、そのように英樹さんが笠さんを気づかって近づいてきて話しかける、という話を繰り返ししていたので同じような場面は数多くあったのではないだろうか。笠さんが英樹さんの話をするときに愛憎入り交じるようにみえるのは本当に兄弟のように近い存在だったからこその感情なのだろうと思いながらきいていた。 最近、とてもよくしてくれた恩人の方との急なお別れがありとても悲しかったとお話されていたが、英樹さんとのやりとりやバンド時代の思い出話にも感情が揺さぶられていたのではないか。美しいバラード「純情夜」の途中で声を詰まらせ歌えなくなった笠さん。悲しい出来事に見舞われた笠さんに私たちが何かできるかなんておこがましいことは言えない、共に泣くことしかできない。 私たちができるのは笠さんの今の活動を応援することだ。今日のライブで、会場でも配信でも、笠さんの歌に心潤されて、今日を明日を生きぬく勇気をもらった人がたくさんいる、そのことをどうしても伝えたい、そう思った。 https://eplus.jp/sf/detail/3606680001-P0030001P021001アーカイブは5/2まで。期限までは何回でもみられます。 セットリスト No PermissionSoul TripperCiderGlory Days幾億の恋ナミダも消えて DAY by DAYもう、遅すぎて空想KISS風車の下でいつでもアバンチュール純情夜 (アンコール)流星のラスト・デートスクール・ガール初出 20220427最終更新 20220504