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February 28, 2012
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遠くにいる人のことを想うというのはどういうことだろう?

愛している、好きだ、ラブラブだというような気持ちを持つのに、

どうしてそばにいて欲しい、横に一緒にいたいと必ずしもならないんだろう?

毎日毎日そばにいて片時も離れず、一緒に暮らし、デートを重ね、セックスを深め、

離れたときも毎日のように電話をし、メールをやり取りし、

それぞれにあった出来事を報告し合い、くっついていなかった時間の空白を埋めていく……

遠くで人を想う人というのは、そういうことをどうしてしたくならないんだろう?

 

好きな人がいて、相手も自分のことが好きで、

でも付き合うわけでもなく、ただ想うだけ……。

これって不幸じゃないんだろうか?

「幸せにならなきゃ不幸って訳じゃない

 

「言葉では言い表せないレベルで完結してるってことやろ。

 形になるのを拒む愛情なのよ。形而上の恋愛やな。」

「まあそれも違う

 

「夢の中で会えるんだったら外で会うよりも自由じゃん」

「夢の自由はしってるでしょ

 

「まあ、なんて言うか…説明が難しいんですけど、

 始まる前に、終わっちゃってる感じですよ。なんか」

 

僕は多分、子供の頃からずっと、人が誰かを想う気持ちが、

その人の中にとどまっているはずがないと考えている

 

気持ちというものが飛び道具であってほしい……というのは、しかし僕だけの祈りじゃない

 

ある<場>においては、<本当のこと>というのは<本当と感じられること>なのだ。

 

「舞城小説粉吹雪」舞城王太郎 『群像-文字の触覚-』 より抜粋

 





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最終更新日  February 28, 2012 10:44:39 AM
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