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カテゴリ:本 映画 演劇 イベント
松井冬子 個展。(神奈川美術館~2012.3/18) まるで、彼女自身の口から飲み込まれてしまって、 消化器官全てを通りながら 作品を見る度に搾り取られて 排出されていくような感覚で。 後半の半分はもういいよ、もう、…なんて思いながら それでも続いてく次の入り口に溜め息と、嬉しさの半々で。 最後に、蜻蛉が蛹から孵化する作品があって それが今までの作品を全部変換して飛んでいく 準備をしているような心地で、 でもやっぱり ぐったりとしながら出口を出た。 予想していた以上の量と、緻密さに圧倒され通し。 見た方がいい。 絵描きも、女の人も、男の人も、みんな。 彼女は、天才に生まれついたとかやなくって、 自分で天才という道を開いて歩いてきたんやと思った。 『世界中の子ども達と友達になれる』 前に、東京都現代美術館でこの作品は見ていたのだけど その時は初見で、 藤の花先に蜂がまるでその花弁に変わるように吸い付いている様子が 目から離れずただショックで。 でも今回は藤の花と蜂はもとより、 制作過程や彼女の制作意図を読んだこともあって、 少女の友達を呼ぶ声が中央でなく、乳母車にではなく、 あらぬ方向、画面の外(何もない場所)に向けて かけられていることがすごく印象的。 腑分け図のたくさんの作品の中。 赤子の作品にだけ、羽が生えていたことが ショックで。 天使にするなんて、彼女らしくない!! …それでも描かないではおられなかった。 というのは想像だけれども、何だか、泣けてきて。 鏡面の尾長鶏。 自分同じ種が鏡を配したようにそこに在って 決して触れず、存在の確認しかできないけれど 見開いた目はもうひとりをじっと見ていて。 それでも、長い尾の先 神経が届かないような長く垂れ下がった先の尾が お互いに触れてどちらのものか分からない位に混じり合っているのが 悲しくて冷たくて、その中で唯一あたたかくて。 すごく、刺激された。 私は、こういうものを描きたいんだって、 何だか自分の方向性も指し示されたような。 あぁ、何で3000円が出なかったんやろう。 ギリギリ、買えたのに;; 画集。 でも、またもう一回見たくなるそのタイミングで、 買った方がいいように思う。 今はまだ、脳内に息づいているから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 6, 2012 11:19:05 AM
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