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2015.12.20
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カテゴリ:古代ギリシア
ここ最近は寒くて外もあまり出る気になれず、特に予定がなければインドアライフを満喫してしまいます。晴れてるから温かいと思いきや超寒いということが何度あったことか・・・笑
というわけで、そのインドアライフを充実させてくれた本(11月、12月の二ヶ月間で購入した書籍)を紹介したいと思います。例の如く、全て古代ギリシア関係ですが笑

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■『ギリシア悲劇3 エウリピデス』『ギリシア悲劇4 エウリピデス』(訳:松平千秋)
ギリシア悲劇シリーズのラストを飾る、現存するエウリピデス悲劇を収めた書籍です。どちらもアイスキュロス、ソポクレスを遥かに上回るボリュームを誇り、エウリピデスがどれだけ人気であったかを窺わせます。
エウリピデスの最大の特徴は、伝統の改変と、デウス・エクス・マキナ(悲劇の最後に神が出てきて、全てを解決してしまう演出)でしょうか。従来の神話のエピソードをエウリピデスなりにアレンジし、新たな解釈をしています。特に『ヘラクレス』悲劇なんかはそれが顕著で、従来の「狂気に駆られて子を殺めたから十二の功業」という順序ではなく、「十二の功業後に狂気に駆られて子を殺める」という順序に大胆に改変されています。そう言う意味では、エウリピデスの悲劇は革新的であり、アイスキュロスやソポクレスとはまた違った凄さがあると言えるでしょう。
デウス・エクス・マキナの多用には少々うんざりさせられましたが笑、同書の解説を読めばデウス・エクス・マキナに隠された真意をも知ることができるので、気になる方は是非読んでみましょう。


■『古代ギリシア 重装歩兵の戦術』(著:長田龍太)
アルカイック期・古典期・ヘレニズム期のギリシア重装歩兵の武具・戦術などを詳しく知ることができる良書です。図が非常に豊富で、色んな種類の兜の見分け方や、隊列の組み方、実際に戦場で使われていた戦術などを容易に理解することができます。
槍の突き方・握り方の解説まで書いてあり、この一冊で古代ギリシア軍事マニアになれると言っても過言ではありません。むしろ、内容が充実し過ぎていて覚え切れないという嬉しい悲鳴を上げねばなりません。笑 まさに、古代ギリシア軍事史のバイブルです。
巻末には歴史的な会戦(ガウガメラの戦いやマグネシアの戦いなど)の解説まであり、今年一番買って良かったと思える書籍でした!
本屋で衝動買いして良かった~!笑


■『トロイア戦記』(訳:松田治)
西洋古典最高傑作とも賞されるホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』を繋ぐ架け橋的存在の文献が、この『トロイア戦記』です。著者が紀元後3世紀のクイントュスで、もうローマ時代に入ってることを考えると、ローマ的脚色が多少は入っているでしょうが、それにしたって『イリアス』後のトロイ戦争を研究する上で第一級の資料となることに違いありません。
読み物としても面白く、脈動感溢れるアクション描写は『イリアス』譲りです。宿命女神アイサ(運命女神モイライ)がここまで全面に押し出されているのは少し不思議ですが・・・。トロイがどのように滅びたかがダイナミックに描かれており、その壮大さに度肝を抜かれました!
『イリアス』を読んで、その続きが気になる方は買って損はありません。ただ、この本はもう絶版されており、中古でしか出回っていないのが最大の難点ですが。


■『古代ギリシャのリアル』(著:藤村シシン)
ネット上で有名なギリシア研究家、藤村シシンの著作です。飲み会までの時間潰しで本屋に立ち寄った際に立ち読みし、その内容の濃さに一目惚れして購入に至りました。
一見、初心者向けの本に見えますが、ギリシアマニアも満足できるほどに内容は濃いです。「痒いところに手が届く」本、とでも言いましょうか。ライトな情報もニッチな情報も、上手くまとめているんですよね。おかげで、今まで文献を読み解いて蓄積してきた知識を再整理することができます。
また、素直に「へぇ~!」と思えるトリビア的情報も多く、初心者にもマニアにも幅広くお勧めすることのできる本だと感じました。


■『アルゴナウティカ』(訳:岡道男)
ギリシア神話版アベンジャーズとも言えるアルゴー船物語の文献です。神話上の有名な英雄たち(ヘラクレス、イアソン、テラモン、ペレウス、オルペウスなどなど)が結集し、数々の大冒険を繰り広げます。
実は、まだ読み終わっておらず・・・、年内には読み終えたいと思います。笑
アルゴー船物語は、知っているようで知らなかった神話でもありますので(アポロドーロスでちょろっと読んだくらい)、ちゃんとした叙事詩の形で読めるのは嬉しいですね。ヘラクレスが第一歌ラストで早くも置き去りにされてしまうのは少し切ないですがね。笑
この書籍も『トロイア戦記』と同様に絶版されており、中古品しか流通していないのが、残念なところです・・・。


以上の6冊が最近購入した本になります。まだまだ読みたい本(ヘレニズム時代の概説書や、『アナバシス』など)はありますので、これからもどんどん読んでいきたいと思います!





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Last updated  2015.12.20 14:58:24
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