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2016.07.16
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カテゴリ:古代ギリシア

音楽の力は偉大です。それは古代であっても同様であり、アリストテレスやプラトンも社会における音楽の役割を賞賛していました。私もよく愛用のウォークマンでその時の気分に合った音楽を聴き、心を慰めたり、高揚させたりしています。
そのウォークマンの楽曲リストの中に、古代ギリシアの音楽が遂に仲間入りを果たしました。Music of the Ancient Greeks(輸入盤)を購入しました!

music.jpg

このCDには、古代ギリシア時代に実際に演奏されていたと思われる音楽を再現した曲が収録されています。付属の冊子によれば、アリストクセノスやプラトンなどの古代ギリシア音楽に関する史料・論文を研究し、欠損部分を補完しながらも、やっとの想いで復活させたようですね。


古代ギリシアの音楽は、キタラ、アウロス、リュラなどの楽器で主に演奏されます。キタラ、リュラは日本語では「竪琴」とよく訳されています。音楽の神アポロンはキタラ、もしくはリュラを好んで使っており、対してアウロス(笛)は、牧羊神パーンや半人半獣サテュロスがよく使用しています。

蛇足ですが、ここに「美しさ」を重視するギリシア文化が見えてきます。アポロンは古代ギリシアではゼウスと並ぶほどの人気者で、アッティカ歴のカレンダーではアポロンに関する月が半分を占めています。そのアポロンはアウロスをほとんど使いません。アウロスは野蛮で野性的なサテュロスの楽器であり、その理由は「笛を吹く時に顔がふくれ、不格好になるから」。ギリシアは現代以上に面食い文化だったんです笑


さて、Music of the Ancient Greeksを早速聴いてみましたが・・・もう最高ですね!!!
素朴かつ壮大、心の奥底にまで響き渡り、目を閉じればそこにヘリコーン山上で舞い踊るムーサイが見えてきそうです!古典ギリシア語はさっぱり分からない(一時期勉強してましたが完全に忘れました笑)んですが、冊子に英訳の歌詞があるので内容はなんとか理解できました!
特に興奮したのが"Choral ode from Orestes, Euripides"という曲です。皆さん、Euripidesですよ?あの悲劇作家のエウリピデスさんです!そのエウリピデスの『オレステス』という悲劇の合唱曲が(1分程度ですが)聞けたんです!!!アテーナイ人が劇場で実際に聞いてたかもしれない曲を、です!この感動は筆舌に尽くしがたい!欲を言えば、アイスキュロスのオレステイア三部作の合唱曲も聞きたかったなぁ・・・という気持ちもあるにはあるんですが笑

他にも『アウリスのイピゲネイア』の合唱曲や、パイアンなど、「よくぞ再現してくれた!」という曲が目白押しでした!個人的には"Hymn to Nemesis, Mesomedes"と"Paean and processional, Limenius"がお気に入りです!後者は、パルナッソス山の壮大な山頂が浮かび上がり、「ΙΗ ΙΗ ΠΑΙΗΟΝ! ΙΕΙ ΒΕΛΟΣ!(射よ!射よ!救い主よ!矢を射たまえ!)」と叫びたくなるような楽曲です。笑


いつか、エピダウロスやアテネの劇場でギリシア悲劇を観賞し、合唱曲を生で聴いてみたいものですね・・・。






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Last updated  2016.07.16 20:18:07
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