2000年2月13日
早朝のナイロビのバス停からウガンダとの国境の町キスムまでのバスに乗り込んだ。
今回は長距離ということでマタツ(乗り合いハイエース)ではなく、普通のバスを洗濯
したのであるが、ここまで20人以上のハイエースに詰め込まれてきた身には、バスのシートで十分に足を伸ばせたり、シートがリクライニングで倒れたりするそんな乗り物自体がしごく快適であった。
バスはサバンナの中を突っ走ってゆく。
道ばたのサバンナにシマウマが草をはんでいる。
突然、隣の席の人の携帯電話が鳴る。
このサバンナのどこに携帯電話のアンテナがあるのだろう?
そんなどうでもいいことを考えつつ、そしてぼまたここ最近の日課となった思考が頭の中を巡ってくる。
今までのこと。
そしてこれからのこと。
今、日本への帰国が待ち遠しい。
日本で待っている現実が恋しい。
今、この胸にともっている情熱のまま次の夢に向かって1日も早く突っ走っていきたい。
ここ数日の間に日本に帰国してやるべきスケジュールができあがっていた。
3月はじめに帰国して、次の出発は7月。
場所はヨーロッパアルプス グランドジョラス北壁
そして出発までの4ヶ月、やることはいっぱいある。
やりたいことはいっぱいある。
そして・・・・
いつしか僕は眠りについて、気がつくとバスは昼下がりのキスムに到着していた。
キスムはケニア第五の都市ということだが、どことなく平和そうな田舎町の趣がある。
今日はここに泊まることにして町中の1泊200シリングの宿に荷物を下ろした。
さて早速シャワーを浴びようとしたら、なんと断水である。
しかし宿のおやじはハクナマタタ!(問題ない!)とシャワールームの脇の水瓶を指さした。
僕はそうかハクナマタタかとつぶやいて、水瓶の水を桶で浴びてさっぱりした。
ここキスムはビクトリア湖の東の端にあたる町である。
町はずれの高台からはビクトリア湖に沈む夕日が望まれた。
できれば夕食はビクトリア湖畔で夕日をみつつ食べたいものだ。と思って湖の方に歩いてゆく。
でも道は行き泊まって湖の方には行けない。
国境だけに入れないのかな?
道のどんづまりにが草原になっていて、そこに「HOTEL」(簡易レストラン)とかかれた看板があったので何が食えるかわからないが入ってみた。
おばちゃんはおそらく湖でとれたのだろう得体のしれない魚をとりだして見せ、調味料をもってこれをこれであれするのでよいか?と聞いた。
よくわからんがそれでよいと答えると、10分後にとびきりおいしい魚料理が現れた。
ビクトリア湖は見えないが、アフリカの田舎の風を感じながら地元の料理に舌鼓をうつのはなかなかに幸せな時間である。
宿に戻って、隣の部屋のフランス人旅行者と情報交換したり、バールにいってサッカーのアフリカカップファイナルを観ににったりして旅らしい夜は更けてゆく。