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今夜も空の下~世界放浪浪漫譚~

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えの1970

えの1970

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2007.10.24
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カテゴリ:中近東編
2000年2月24日


シナイ山という目的をひとつ片づけたことで、またここにいる目的を見失った僕は早くも次の目的地に動くこととした。
次の目的地はシナイ半島を横断して紅海の海辺のリゾート「ダハブ」である。

朝7時に目覚めて外に出ると、外は気持ちのよい砂漠だ。
外に出たところで、昨日食堂で会った、女子大生のひとりで、今朝未明に一人でシナイ山に登ると言っていた子にあった。

「おはよう。あれずいぶんと早いね。もう登ってきたの?」

「いえ~朝3時に起きて真っ暗な中歩き出したら、寒くてすぐに引き返しちゃいました。やっぱり友達と一緒に今日登ります。」
「ところで今日はどうするんですか?」

「もうこの町にいてもしょうがないし、今日はこれから「ダハブ」に行くよ」

「ダハブってどんなところでしたっけ?」

「紅海に面したリゾートだよ。リゾートっていってもベドウィン村なら物価も安いし海もきれいそうだからさ」

「そうですか気をつけてくださいね」

「お互いに」

そんな社交辞令のような話をした後で女の子は友人達のもとへとかけていった。

そして僕もまた一人旅の続きである。

宿にいたドイツ人旅行者とタクシーをシェアして10:00に宿を出る。
タクシーの窓の外の眺めはやはり砂漠で。とにかく砂漠の中を突っ走ってあきあき。
それでもタクシーは速くわずか2時間で海が見えるとそこがダハブのベドウィン村であった。

とりあえずシングル7ポンドの宿をとり、まずは久しく見ていなかった海へ。といっても部屋から歩いて30秒。
紅海の海は透き通っているというよりはむしろ濃紺。
うち寄せる波の情景は「浜」というよりはむしろ「磯」で、風の強い今日などはどっぱーんとうち寄せる波が北国情緒さて醸し出して肌寒さとうらさびしさが旅情をかき立てる。
まさに紅海冬景色
対岸にはアラビア半島が思いの外すぐそばに見え、ああサウジアラビアってあんなに近いのかと果てに来た感慨もひとしお。

どこかの情報でここにくれば泳げるとも聞いていたものの、こんな寂しい光景の中で泳いでいるやつなんて誰もいないよ。

とりあえず久しぶりの海を眺めた後で、町に出て散歩する。といっても5分もあれば歩き回れる町だ。
町をはずれて北方面に向かってみたらどこまでも砂漠が続いていたのであきらめて戻ってきた。

今度は南方面に歩いてみたらやっぱりどこまでも砂漠が続いていたのですぐに戻ってきた。

浜辺にたたずむには少々寒すぎる。
そして今日は部屋の中でうだうだしたまま時間が過ぎてしまうのであった。





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Last updated  2007.10.25 00:04:00
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