１９６７年８月２５日の時点でジョン・レノンはシンシアよりヨーコを思う気持ちが強かったのだろう。おそらくシンシアもジョンの関心が他の女性に向いていることを察知していたのじゃないだろうか。
シンシアはそのときの気持ちを語っている。
「列車から顔を出して笑いながら私の顔を見ているジョンを見て、ジョンがサヨナラと言っている気がした。これで私たちはもうおしまいだ！という感じがした。」
その日ビートルズはマハリシの瞑想セミナーに参加するためロンドンのユーストン駅からウェールズ北部のバンゴア行きの列車に乗った。シンシアは警備員にファンと間違えられ、数秒の差で列車に乗り遅れたそうです。
彼らが前年にツアーを止めたために、マネージャーのエプスタインの心に大きな穴ができたことは想像に難くない。マネージャーのことを思いやるにはあまりにもビートルズは子供すぎたのか。それともそれ以上にエプスタインは孤独な男だったのか。２日後、特にジョンはあの知らせに大きなショックを受ける。
ジョン・レノンに恋して／シンシア・レノン／吉野由樹
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