Hale Mahina

死と向き合うことのできる　その時間に　私は　ひとつの　ヴィジョンを見た。
それは　私の最愛だった人が　子供を空中高く　抱き上げるのを　そばで見上げて
微笑んでいる　私の姿だった。
その日　最愛だった人は　書類上では　他人となり　だから　私は　そのヴィジョンを
追い払った。
どういうことなの？
それなのに　そのヴィジョンが　再び目の前に　現れる。
また追い払う私。　　
そしてまた　同じヴィジョンが　現れる。
最後には　あきらめて　ただそれを感じた。
そのヴィジョンは　軽やかで柔らかな　空気と光りに包まれていた。
笑い声さえ聞こえてきそうだった。

そのヴィジョンが　現れたことについて　この数日間　考えを巡らせていた。
それは　私の夢？希望？
それとも他の何か？

５時間という短い時間に　３度のブレイクを入れた　今回のセッション。
死と　至近距離で向き合うには　もう少し長い時間が　必要だったかも知れない。
そしてそのヴィジョンが　私の心のひだの　どの深度から　出て来たかも定かではない。

少し前のこと　そこには　魂が待っていたのを　私は知っている。
生まれ変わりを　　待つ魂が　私のそばまで　来ていたことを。
やがて　その機会に　恵まれない　魂たちは、どこかへと　姿を　消した。

子を宿し　女は神になる。
ひとつの魂に　身体を空け渡す。
そして二つの魂が　神の身体で　交感する。

棟方志功の　菩薩たちは　だからどれも丸みを帯びているのか？
ふとその問いの答えを　見つけた気がした。