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テーマ:恋愛について(2623)
カテゴリ:人生
わたしが D にあった時 わたしの中には ある確信があった。
それは 私たちが とおい とおい 過去の 時間の中では ひとつだったことを。 わたしとDは ひとつの タネだった。 それも ハートの 形をした 小さな タネだった。 それが 氷河期の中で 凍りつき やがて タネに 亀裂が入り Dは 海流に乗って 南へと 流されて いった。 わたしの方は それからしばらくの間 氷に閉ざされたままだった。 やがて 氷河期が 終わりを迎える頃、わたしは ようやく 海流に乗ることが出来た。 途中で 漂着しながら あるいは 流されながら わたしは やがて ある南の島へ たどり着いた。 そこには 氷河期の中で 離ればなれになった 半ぶんのタネが 見事に実を結んでいた。 わたしは もう Dとは ひとつのタネには 戻れなかった。 けれども 私たちは 知っている。 私たちが 同じ木から 生まれたことを。 その木が 花を咲かせ 実を結び タネを落とした そのひとつが 私たちだったことを。 北で生まれた そのタネは 何万年もの 時を経て 南の島へと 流れ着いた。 何度も漂着し 色んな場所で 芽を出し 実を結んでは 再びタネを落とし そして南へと 向かった。 わたしが D にであった時 わたしの中で 甦った 記憶。 わたしには 確信がある。 とおい とおい 昔 私たちは一粒の タネだったんだよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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