| 【フィクサー】2008年4月12日(土)公開 | 監督 : トニー・ギルロイ | 出演 : ジョージ・クルーニー /テイルダ・スウィントン/トム・ウィルキンソン 他 | 期待度 : ★★★ → 観賞後の評価 ★★★★ | 原作 : | 「 フィクサー / Michael Clayton (2008) 」
■第65回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションで最多4部門でノミネート! *ドラマ作品賞
*ドラマ主演男優賞
*助演男優賞
*助演女優賞
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■第80回アカデミー賞で7部門ノミネート! *作品賞
*主演男優賞 ジョージ・クルーニー
*助演男優賞 トム・ウィルキンソン
*助演女優賞 ティルダ・スウィントン
*監督賞 トニー・ギルロイ
*脚本賞 トニー・ギルロイ
*作曲賞 ジェームズ・ニュートン・ハワード
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監督は、「ボーン・アイデンティティー (2002)」を第1作目にして、3部作の脚本を書いてその実力をプルーフしたトニー・ギルロイ。 私は、ポール・ハギスとともにトニー・ギルロイの脚本が大好きです。絶賛です♪ 彼の出世作ボーンシリーズは3部作と言われ、最終章「ボーン・アルティメイタム (2007)」のボーンが復活したラストの終わり方からも、ここで終る気はないな!と誰も予想した通り(笑)、トニー・ギルロイと主役マット・デイモンの合意のもと4作目の準備段階に入っているようですね。 私はこのボーン・シリーズの信者なので早くも4作目の実現が待ち遠しいです。 主役は、 2000年・第58回 ゴールデン・グローブ賞において「オー・ブラザー! (2000)」主演男優賞、2005年・第63回で「シリアナ (2005)」で助演男優賞を受賞し、2005年・第78回アカデミー賞においても「シリアナ (2005)」で助演男優賞をダブル受賞したジョージ・クルーニー。 受賞には縁がなかったものの、私的にはジョージ・クルーニーと言えば「オーシャンズ・シリーズ」というイメージが大きいですね~ スティーブン・ソーダバーグとともにセクション・エイトという映画会社も設立し、「コンフェッション (2002)」で出演および監督デビューし、「グッドナイト&グッドラック (2005)」では、監督、脚本、出演の3役をこなしています。 オスカーを受賞した「シリアナ (2005)」では制作総指揮を担当していますね。 共演は、トム・ウィルキンソン。アン・リー監督の「いつか晴れた日に(1995)」や「エターナル・サンシャイン (2004)」ではDr.ハワード・ミュージワックを演じ、「バットマン ビギンズ (2005)」ではカーマインを演じています。「イン・ザ・ベッドルーム (2001)」と本作でアカデミー賞にもノミネートれているもののいまだに無冠で終わっています。バイプレヤーとしてはなかなか味がある演技をしますよね。 そして、ジョージ・クルーに演じるマイケル・クレイトンの同僚が担当する訴訟の弁護の原告側の弁護士役にティルダ・ウィンストン。 2007年・第80回アカデミー賞、2007年・第61回英国アカデミー賞において、本作の7部門ノミネートの中で唯一助演女優賞を受賞しました。 彼女の魅力は何といっても「コンスタンティン (2005)」ではハーフブリードの天使ガブリエル、「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 (2005)」では白い魔女などの鉄面皮的な中性的なスタイリッシュさ・・・。 「ブロークン・フラワーズ (2005)」では、ものすごい女っぽい役を演じていてびっくりしたペニー役を好演していたのが記憶に新しいです。
Story : ニューヨークの大手法律事務所ケナー・バック&レディーンに所属するマイケル・クレイトン。公に出来ない案件を裏で穏便に処理する“フィクサー”を長年務めている彼は、かつての弁護士職に戻るタイミングを失い、問題山積の私生活でも、ついには従兄弟が抱えた8万ドルにも及ぶ借金を肩代わりする羽目に陥っていた。そんな中、巨大農薬会社U・ノース社に対する3000億円の集団訴訟でU・ノース社の弁護を担当していた同僚のトップ弁護士アーサーが、原告との大詰めの協議の最中、突然服を脱ぎ出すという奇行に出てクライアントを困惑させてしまう。そこで上司から事態の収拾を任されたマイケルだったが、やがてアーサーがU・ノースを敗北に導く決定的証拠を掴んでいることを知ってしまう。一方、U・ノース社の敏腕女性弁護士カレンもこの緊急事態に対処するため秘かに行動を開始するが…。
「2008年4月12日公開 」 ー より ー
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フィクサーは、アメリカでは悪徳弁護士の事をフィクサーと呼ぶことも多いですが、この映画では、陰で仲介に立って交渉をまとめる示談屋、通称「もみ消し屋」のこと。 ニューヨーク最大の法律事務所でNo.1の実力を持つトム・ウィルキンソン演じるアーサー・イーデンスが弁護を担当し、6年もの長い間にわたって闘って来た巨大農薬会社U・ノース社に対する約3000億円の集団訴訟が完全勝訴か和解案に同意するかどうかの選択を迫られ、一端は和解の方向に葬り去られようとしていた矢先に、アーサーが突然奇行に走って逮捕されてしまう・・・ その同僚アーサーの起こした不祥事のもみ消しを任されたのがジョージ・クルーニ演じるマイケル・クレイトンなのです。 U・ノース社の隠蔽の真相に迫る重大な証拠を手にしてしまったサーサーは、良心の呵責からうつ病の投薬を受けていました。 同僚の病気を案じながらも、もみ消しのために次第に巨大企業の隠蔽の渦に巻き込まれていくのです。 観客には早い段階から事件の真相を明かされ、ラストにつながる30分前の衝撃的事実から見せられます。 いわば感嘆符系的なストーリーの展開とでもいうのでしょうか、英語の表現では強調したい場合に結論を先に述べてその補足的なことをあとから説明的に付け加える表現法がありますよね。その映画版(笑)って感じです。How beautiful it is ! みたいな・・・(;^_^A わかるかなぁ~~? そこから、4日前までさかのぼってラスト30分までの真相をさかのぼ形で進んでいきます。 ただ、当初はそれがラストの革新的映像とは気付かされずに進行しますので、集中力を切らさないように見ると面白いです。 誰にも真似のできないフィクサーとしての才能をもっている彼は、12年会社の最前線で働きながら、パートナーとして経営に携わることもなく、弁護士として法廷に立つこともなかった苛立ちから、気晴らしのためにバー経営に手を出し同僚のせいで店を処分せざるを得なくなります。 そんな伏線を持ちながら、会社の存続のためにイギリスの会社との合併をまとめたい法律事務所との狭間にありながら、正義とはなにか、そして同僚のアーサーの仇を取るべく単独でアーサーの身辺を調べはじめます。 トニー・ギルロイの脚本にしては、最初なにがなんだかわからないままに進む分でちょっと中だるみがないとは言えませんが、その辺でも集中力を切らさずに観ると後半に来て話がつながって来て面白くなっていきます。 真相も犯人も手口もほぼ見る側に明かした上でのストーリー展開なので、観客と一緒に謎を解き、犯人や隠蔽の事実を暴いていこうという内容では決してありましせん、この映画の真のメッセージがなんだったのか、それを見る人に見極めさせるラストは、いろいろな感じ方をする人がいると思いますが、ラストにタクシーに乗り込み、行けるところまで行ってくれ・・と50ドルを運転手に渡しながら、興奮を鎮めるように、次第にマイケル・クレイトンの浮かべる晴れやかな笑顔が余韻を残します・・・・
オリジナル・サウンドトラック「フィクサー」/サントラ[CD]
~ おしまい ~
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