| 【歩いても 歩いても】2008年6月28日(土)公開 | 監督・脚本・編集 : 是枝裕和 | 出演 : 阿部寛 /夏川結衣 /YOU 他 | 観たい度 : ★★ → 観賞後の評価 ★★★☆ | 原作 : 是枝裕和 |
「 歩いても 歩いても (2008) 」 監督は、2004年・第57回のパルムドールに名を連ね、無名の子役柳楽優弥を主演男優賞男優賞という一躍スポットライトのもとに押しやった「誰も知らない (2004)」の是枝裕和。 2004年・第47回ブルーリボン賞では、作品賞及び監督賞を受賞しています。 また、映画通をうならせた、オダギリ・ジョー主演の「ゆれる (2006)」でも企画を担当をし、「花よりもなほ(2006)」は本作同様監督、原案、脚本、編集も手掛けています。 主演は、TV&「トリック 劇場版シリーズ (2002・2006)」、TV&劇場版「HERO (2007)」、「自虐の詩 (2007)」の阿部寛。 ちょっと考えただけでもドラマと映画とアニメ吹き替えを合わせるとものすごい量の作品へ出演しています。今までは、どうしてその長身と整った顔立ちの割に脇に甘んじていたのだろうかといつも疑問に思っていましたが、このところ主役に脇役に大活躍ですね。 共演は、「誰も知らない (2004)」以来またまた是枝作品へ出演のYOU。 「THE 有頂天ホテル (2005)」では、桜チェリー役で歌も披露してフェア・チャイルドの元ボーカルとしての実力も魅せて感動させてくれました。 そして、「花よりもなほ (2006)」以来再び是枝作品に起用されている夏川結衣。 是枝監督はスタッフ、出演者ともに信頼が置けるメンバーをまた起用することが多いようですね、今後も「山田組」や「橋田組」ばりに
Story : ある夏の終わり。横山良多は妻・ゆかりと息子・あつしを連れて実家を訪れた。開業医だった父と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。姉・ちなみの一家も来て、楽しく語らいながら、母は料理の準備に余念がない。その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。
「2008年6月28日公開 」
ー 作品情報より ー |
タイトルの「歩いても 歩いても」は、その時代の人達にとっては懐かしい青春の歌であり、若い世代でもカラオケ等でだれもが一度は耳にしたことがあるのではないかと思われる、劇中で使われている、いしだあゆみの70年代のヒット歌謡曲「ブルーライト横浜」の歌詞・・・・。 とにかく、横山とし子を演じる樹木希林と、良多の姉のちなみを演じるYOUの絶妙な演技が素晴らしいです。他の出演者も良かったのですが、ダントツこの二人の掛け合いが素晴らしい上に最高に笑えます。 そして、セリフのひとつひとつがどこにもある家族の日常をユーモラスに抽出していて、会場中で爆笑がまき起こっていました。 試写会場での半数が中年層の夫婦という感じで、特に面白いなと思ったのは、誰にでも思い当たるところがあるのか一斉に会場中で爆笑が起こると思えば、それぞれの家庭のツボ?みたいなものが違うのか、微妙にまばらに笑っているシーンが違っていたりする現象です(笑)。 日本のポール・ハギズかと思えるほど是枝監督の脚本は、誰でも感じているけれど言葉には表していない人間の心理に敏感に反応して的を得た言葉に変えている感じが素晴らしいです。 15年前に事故で亡くなった長男の命日というたった二日間に、凝縮された家族の数十年間が見えてくる手腕はただものではないなと感じさせられました。 単に笑いを呼ぶだけではなく、三世代の家族間の建て前と本音の部分を鋭くシリアスにそしてユーモラスというオブラートに包みつつ、その世代の家族の共感を呼ぶ素晴らしい作品です。きっとだれもが、自分の家族や親せきの一風景に照らして思い当たる節があることでしょう。 ただ、難を言えば、この映画は、観る世代を選ぶ作品ではあるかなと感じました。 ★4っつでも良いと思うのですが、あえて3っつ半にしたのは、上の理由の他に、ラストを迎えてエンドロールが始まっても、なんだか終わった気がしない、忘れ物をしたような、そんな個人的な物足りなさみたいなもの?・・・からです。あくまでも、個人的な(笑)・・・・・
映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック/ゴンチチ[CD]
~ おしまい ~
|| || || || ベストブログランキング ||
|| || || || || MoonDreamWorks Movie riport Index |