| 【ブーリン家の姉妹】2008年10月25日(土)公開 | 監督 : ジャスティン・チャドウィック | 出演 : ナタリー・ポートマン /スカーレット・ヨハンソン /エリック・バナ 他 | 期待度 : ★★ → 観賞後の評価 ★★★☆ | 原作 : フィリッパ・グレゴリー(「The Other Boleyn Girl」集英社文庫刊)
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「 ブーリン家の姉妹 / THE OTHER BOLEYN GIRL (2008) 」 ■監督は、ジャスティン・チャドウィック。
■主演姉アン・ブーリン役は、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス (1999)」シリーズでアミダラ王女を演じて来たナタリー・ポートマン。 2004年・第62回ゴールデングローブ賞において「クローサー (2004)」で助演女優賞を受賞しましたがオスカーは残念ながら受賞にはなりませんでした。 ■妹メアリー・ブーリン役は、「ロスト・イン・トランスレーション (2003)」で英国アカデミー賞主演女優賞を受賞しましたが、今だにオスカーにはノミネート経験がないスカーレット・ヨハンソン。 「マッチポイント (2005)」で妖艶な演技で魅了して以来ウディ・アレン監督の気に入られ、「タロットカード殺人事件 (2006)」や日本では2009年公開予定の「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ(原題) (2008)」にも起用されています。 ■イングランド国王ヘンリー8世役は、「ブラックホーク・ダウン (2001)」、「ハルク(2003)」、「トロイ (2004)」のエリック・バナ 。 ■姉妹の弟ジョージ・ブーリン役は、「アクロス・ザ・ユニバース (2008)」、「ラスベガスをぶっつぶせ (2008)」の伸び盛りのジム・スタージェス。
Story : 16世紀、イングランド。20年にわたる夫婦生活で王女メアリーしかもうける事が出来なかったヘンリー8世はの目下の関心事は、立派な男子の世継ぎをあげる事。一族の富と権力を高めるため、新興貴族のトーマス・ブーリンは自慢の娘アンを差し出す。しかし、王が目をとめたのは清純で心優しい妹のメアリー。姉より先に結婚したばかりのメアリーは夫と共に、王の愛人となるべく宮廷にあがる。アンは姉でありながら、結婚も王の愛人という立場も妹に奪われてしまったのだ。一族の発展のための企みが、次第にアンとメアリーの絆を、王の愛を巡る非情な対立へと変えていく…。
「2008年10月25日公開 」 ー 作品情報より ー |
家や権力の為に娘が時の権力者に嫁がされる、あるいは後継ぎを産ませるための道具である傍女として家の犠牲になる女の歴史は、日本もイギリスも同じ。 実家の繁栄と自信の安泰のためにも是が非でもお世継ぎとなる男子を産まなければならない重圧の中、王をその気にさせる努力が痛々しいです・・・ そして出産のたびに一喜一憂・・・・。 父親から下された使命の為、自身の野望を実現するため駆け引きをするブーリン家の姉アンを演じたナタリー・ポートマンは、見事なまでにはまり役でした。 愛ではなくただ王の妃になりたい姉アン、それとは逆に、ただひたすら王を愛した妹メアリー。 メアリーを演じたスカーレット・ヨハンソンもまた、純真無垢でいてどこかミステリアスな魅力を持つ少女を演じた「真珠の耳飾りの少女 (2003)」を思い出させる、優しく誠実なメアリー役にぴったりでした。 男勝りで勝気なアンとキツネ狩りに出かけた時に落馬して負傷してしまった王が、周りにはいない野望とは無関係な癒しと信頼を感じさせるメアリーに惹かれて行くのは当然の成り行きでした。 歴史では事実だけしか知ることが出来ませんが、その陰にあった王の心理の変遷を巧く表現してくれている脚本もすばらしかったです。 そして、静かで満ち足りている田舎の生活を望んでいたメアリーに、突然降ってわいた宮廷生活に、姉アンの嫉妬から生まれる姉妹の争いに発展していく心理描写も巧くて、非常に引き込まれてしまいます。 原題の「THE OTHER BOLEYN GIRL」と言うタイトルは、王に気に入られ宮廷にあがることになった妹へ発した姉アンのセリフが使われていますね。 まさに姉妹の運命の歯車が急速に破滅に向かって回り始めた瞬間・・・という感じがしました。 もう終わってしまったの?と思えるくらいあっという間に時間が過ぎてしまいました。 ケイト・ブランシェットが演じた「エリザベス(1998)」から「エリザベス:ゴールデン・エイジ(2007)」のエリザベス・ビギニング的な誕生までを描いた作品となっていますね。 私ごとになりますが、世界史を熱心に勉強していなかったので、「エリザベス(1998)」の時に出てきた義理の姉メアリーとメアリー・ブーリンとを混同してあれ?相関図が・・っと、的な勘違いをしていたのですが、この作品を観て納得(笑)。 エリザベス女王の義理の姉メアリーは、「エリザベス(1998)」の時にエリザベスを塔に幽閉した、本妻でもあるキャサリン王妃の娘で、同名なのですよね。 そして、メアリーがエリザベスを幽閉した背景には、王妃が信仰するカトリックと、王がアン・ブーリンを妃にするためにカトリックと決別し振興宗教であるプロテスタントを信仰するにいたった対立の構図も、この作品を観て納得(笑)。 勉強になりました☆ ~おしまい~
ブーリン家の姉妹(上)
ブーリン家の姉妹(下)
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