|
テーマ:あなたに口づけを‥‥(54)
カテゴリ:カテゴリ未分類
Dear My Honey,
”♪プルルルルルゥゥゥゥゥ~~~、プルルルルルゥゥゥゥゥ~~~、プルルルルルゥゥゥゥゥ~~~、プルルルルルゥゥゥゥゥ~~~♪” 電話が鳴ったが、壁掛け時計を見た瞬間にそれが誰なのかは容易に察しがついた。そう。何を隠そうそれは、Honey からだった。どうやら飛行機の出発する時間の前に電話を掛けたらしい。 ”Hello” ”Hey, baby. It’s me. How are you doing?” ”どうしたの?何かあったの, honey?何かあった時にだけ電話をしておいでって昨日約束して別れたはずよ。ここに帰ってくるまでは、私のことは頭からはずして、楽しんでらっしゃいって言ったはずよ。” ”知ってるよ。ただ、飛行機に乗る前にもう一度だけ声が聞きたいなぁ~と思って電話をしてみたんだ。びっくりさせてごめんよ, baby・・・.” ”ホントよぉ~~~。もぉ~~何かあったかと思ってびっくりしたじゃないよぉ~・・・。今回はいいけど、向こうに着いたら、もう電話しなくていいからね。電話代だって、距離が離れてれば馬鹿にならないんだから・・・。充電器を持って行ってないでしょうから緊急時のために電源は極力切っておきなさいよ。話は帰ってきてからゆっくり聞くからね, honey・・・” ”分かってるって・・・。” ”私に電話をくれる時間があるなら、その時間ほどお母さんとお話してあげて。お母さん心配してたみたいだから・・・。私のことはいいからね・・・。いいね、honey・・・” 彼には少々酷かとも思ったが、色々な意味でこれが一番いいと思った。何年かぶりに会う友達、私の事を気にしながら会っていたのでは、その友達も楽しくないだろうし、友達との楽しい時間の中に私の出る幕はないと思ったからだ。 じゃあ独りの時間なら友達には迷惑は掛からないから許してあげてもいいだろうと思ったりもしたけれど、短い期間だもん。せめてその間くらいは私のことを忘れて、友達と羽目をはずして思いっきりワイルドに遊んできてもいいんじゃない?そんな時間がたまには必要なんじゃない? そうすればまた帰ってきた時に私と新鮮な気持ちで接することが出来るし、ちょっと距離を置いてみれば、また何か彼の中で新しい発見があるかもしれないし・・・。そのためにもいい時間かも・・・と思ったりもしたからだ。彼はそれが分かってか分からないでか、私には知る由もないが、それが理由で私は彼に電話をするなと言った。 それに、来年の今頃は、嫌でも私たちは、離れ離れになって地球の裏側で、それぞれの生活をしていかなければならない。つまり遠距離恋愛を強いられることになる。最低でも2,3年は離れ離れになる。そのことを考えたら、そろそろお互いが離れても大丈夫なように、こういうことから少しずつ慣らしていき、その時が来ても大丈夫なように、今から心の準備をしていく必要がある。それもあって彼に今回電話をしないようにと言ってみたのだ。 きっと出来る。私たちならきっと乗り越えられる。いえ、乗り越えなければ幸せはやってこない。これは私たちが幸せになる前に与えられた試練なのかもしれない・・・。 結局今日は、電話も留守電も入ってこなかった。きっと友達と楽しいひと時を過ごしているのだろう。そこに私の出る幕はない。いいことだ。そう思いながら彼がとにかく無事に帰ってくることだけを祈っていた1日目が終わろうとしている。 Love and miss you so much, お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|