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2003年07月12日
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Dear My Honey,

彼の家に遊びに行った時の事だった。
彼は忙しそうに、来年の夏までの手帳の整理をしていた。

”何してるの?”

”来年の夏までにいつ誰に会えるかを調整しながら、その間を縫っていつお前と旅行に行けるかを調べてたんだ。あとで後悔しないように皆にも出来るだけ会っておきたいし、お前が寂しい思いをしないように、2人の時間も出来るだけ、とっておきたいしな・・・。”

”ふぅ~ん。”

私は涼しげな顔をしてそう言った彼の後ろ姿をしばらく見つめながら、彼の背中に問いかけた。

”Honey は来年の今頃は、もうここにはいないよね。”

”・・・”

”地球の裏側に行くんだもんねぇ~。”

”・・・”

”だとしたら、休みだからって会えなくなるし、電話だってそうそう出来なくなるよね。”

”・・・”

彼は振り向きもせず、何も答えず、ただ黙って自分の手帳の整理をしていた。

”でも、行く前だからってそんな素敵な思い出だけを残しておいて行かれると、かえって寂しくなりそうなんだけど、私・・・。そんなのいやだなぁ~。”

”・・・”

”そりゃ、思い出を残して行ってくれるのは嬉しいけど、その思い出が一つ一つ過ぎていけばそれはhoney との別れが日いち日いち日と近づいているってことでしょ。”

”・・・”

”わかってるよ。乗り越えなきゃってことも・・・。乗り越えなきゃいけないって分かってるよ、私・・・。乗り越えなきゃ・・・。出来るもんね・・・。うん、出来るよ。”

そう言って自分に言い聞かせている間に、寂しくなってきたのは言うまでもない。大粒の涙が頬を伝ってこぼれ始めた。私はほんの少しの間だけ、彼のT-シャツが涙で濡れないように、背中にそっと頬を寄せて、流れる涙を止めることもなく、そのまま彼のぬくもりを感じていた。けれどもその一方で、ここで泣き顔を見せては・・・。と思ったので、隣の部屋のソファーにふせって本を読むことにした。

しばらくして、手帳の整理を済ませたのか、彼が私のところにやってきた。私は心のうちがばれないように、泣き顔を見られないようにと必死だった。

彼は私のそばへ来て私の黒髪を束ね、首の右の方にそれをよけて、背中の上にのっかって来た。私は、首の後ろに彼を感じた。

”俺はどこへも行かないって言っただろ。ずぅ~っとずぅ~っとお前と一緒だって言わなかったかぁ, baby?”

”私、今度honey と分かれるような事があったら、もう二度と恋はしないし、誰も愛さないから・・・。”

”知ってるよ。だから俺はそんな事はさせないって何度も言ってるはずだぞぉ~, baby. ちがうか? 2人の間にどんなに距離があったって、俺の前にどんなに素敵な女性が現れたって、俺の彼女はこの世にたった一人、お前しかいないよ, baby. そう誓ったはずだぞぉ~。”

私の目からはやっと乾いたはずの涙がまたこぼれ始めた。

”ちょっとの間、離れるだけだぞぉ~, baby. そうしたら俺達はずっと一緒なんだぞ。どんな時もずっと一緒だ。だからその間だけ、寂しいかもしれないけど、お前なら乗り越えられる。俺がいつでもついてるから・・・。お前ならきっと強く生きていけるはずだ。俺はそう信じているし、それが俺の最愛の女性なはずだ, baby!”

彼は私の背中から降りて、私の頬を彼の両手でそっと包み込み、流れる涙をキスでぬぐってくれた。

”そんなに寂しがらなくても、俺はお前を日本で待ってるから会いたくなったらいつでも帰ってこいよ, baby・・・。”

”えぇ~?日本って・・・?ねぇ~、日本って, honey?”

”いいよ、なんでも・・・, baby.”

また彼はいつものように、私のおでこにキスをして、頭をガサガサと撫でて、隣の部屋へと戻っていった。

Love and miss you so much,





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最終更新日  2003年07月15日 09時57分55秒
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