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Dear My Honey,
♪コンコココンコン、コンコン・・・♪ ”開いてるから入ってきていいぞぉ~~, baby・・・” ん?いつもなら出迎えてくれるのにどうしたのかしらぁ~と私は不思議に思いながら、ドアを開けた。その瞬間、プゥ~~~~~~ンと部屋の中からいい匂いが漂ってきた。 ”わぁ~~~。いい~~~匂い!何か焼いてるのぉ, honey?” ”Baby, この匂い匂ったことないかぁ~?” ”パンの匂い?” ”そう、パンの匂いだよなぁ~, baby. よかったぁ~。これを他の違う匂いだって言われたらどうしようかと思ったけどな・・・!” ”いや、これは私でもパンの匂いって分かったよ, honey. でも、なんでなのぉ?” ”お前もう忘れたかぁ?俺、前にお前に約束しなかったかぁ?今度お前にパンを焼いてやるって・・・?” ”いや、言ったけどぉ、あれってホントだったのぉ~, honey. 私、冗談だと思って聞いてたけどぉ~。” ”前にお前は、俺が台所に立って料理をする姿が想像できないって言ったろぉ?” ”言ったよ。だってホントなんだもん。いつもコンピューターとか車をいじっているような人なんだもん, honey は・・・。だからそんな人がって思ったの・・・。” ”それもあって、本当はそうじゃないよってところをお前に見せてやろうと思って、パンを焼く事を思いついたんだ。普段は時間が無いから料理をしないだけで、本当は俺は料理は好きなんだよ, baby. まだまだお前は俺の事を知らないなぁ~。” ”ふぅ~~ん。そうだったんだぁ~。じゃあ、あれは本当の話だったんだぁ~。” そんな事をうだうだと話しながらも、彼の手は休まることはなかった。小麦粉を顔やT - シャツにつけたまま、生地を一生懸命こねて、バターロールを作っていた。その姿がとても愛しくて、頬杖をついたまましばらボォ~~~と見つめていた。 ”もしも、私たちが結婚したとしたら、こんな風になるのかなぁ, honey?” ”かもな・・・。お前が後片付けさえしてくれれば俺はいくらでも料理はしてやるよ, baby!” ”あっ、それはずるい~, honey!私だって時には料理したいし、時には片付けして欲しいもん! ” ”あはは・・・。” ”あははじゃないよぉ~, honey.” ”わかった、わかった, baby. じゃあ、こうしよう。お前が俺の弁当を作って、俺が夕食を作る。これでどうだぁ?” ”じゃあ、私は毎朝早く起きるってことになるのぉ, honey?” ”だな。これで俺が毎朝オフィスにお前の作ってくれた弁当を持って行けるってわけだ!完璧ジャン, baby!” ”わっ、ずるぅ~~~, honey!それはフェアーじゃないからねっ! ” ”あはは。ほぉ~~ら、ふくれたふくれた・・・。” ”もぉ~~~、どこからどこまでがホントで、どこからが冗談なのか分からないんだから・・・, honey はぁ・・・。” そう言っているうちにオーブンからなんとも言えないいい香りが漂ってきて部屋中が幸せな匂いに包まれた。 ♪ブゥ~~~~~~~~~~~~~~~~♪ 出来上がりを知らせるブザーが鳴った。Honey は何やらニコニコしながら嬉しそうにオーブンの扉をそっと開けて、中を覗き込んでいた。 ”よっしゃ, baby. 目をつぶってろよぉ・・・。俺が目を開けてもいいぞぉ~って言うまでは絶対に目を開けるなよ, baby!” ”分かったよぉ~, honey!” そう言ってオーブンの中から焼きたてのパンを取り出したらしく、目をつぶっていても、なんとも言えないパンのいい匂いが漂ってきた。 ”もう目を開けてもいいぞぉ~, baby.” そう言われて目を開けたその前にはなんと、パンで焼かれた I LOVE YOU の文字が並んでいた。こんがりといい色に焼けたおいしそうな文字だったけれど、食べるにはもったいないような I LOVE YOU だった。 ”わぁ~。すごぉ~~~い, honey. すごいすごい・・・。すごいねぇ~, honey. でもこれ、食べるにはもったいないねぇ~, honey. しばらく飾っておきたいなぁ~。” ”ばぁ~か。お前に食べて欲しくてお前が来る前から朝早く起きて焼いたんだぞぉ~, baby. 飾らなくていいから食べてみろ, baby. うまいぞぉ~~~。” 私は、飾っておきたい気持ち半分、食べてみたいなぁ~と思う気持ち半分で、もったいないなぁ~という思いを残しながら端っこからちびりちびりと少しずつかじり始めた。 ”うわっ。おいしぃ~~~このパン, honey. 本当においしいよぉ~, honey. パン屋さんになってもいいかもね・・・, honey!” ”あはは、俺はお前だけのパン屋でいいよ, baby. お前がうまいって言って喜んでくれるパンをいつもじゃないけど、こうして時々作りながら、お前の喜ぶ顔が見られたら俺はパン屋にならなくても充分幸せだよ, baby!” ”ふぅ~~ん。でも、もったいないねぇ~。こんなにおいしいパンが作れるのに・・・。ありがとう, honey. じゃあ、これからもずっと私だけのパン屋さんでいてね, honey.” ”お前だけのパン屋でいるよ、これからもずっとなっ, baby・・・.” そう言って彼はまた忙しそうに次のパンをオーブンに入れて焼く準備をしていた。 Love and miss you so much, お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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