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2003年09月06日
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Dear My Honey,

♪コンコココンコン、コンコン♪

私は、仕事を終えて、いつものように彼のアパートへと向かった。ドアが開いたその瞬間、彼が私に目をつぶるように言った。

“Baby, 絶対に目を開けるなよ!”

“わかったけどなぁ~にぃ~, honey?”

“いいから俺の手をしっかり握って俺についてこいよ!”

“わかったよぉ~~。”

そして私は、彼のベットの上に座らされた。

“まだ目をつぶったままでいろよ, baby! 開けるなよ! ”

“わかったってばぁ~, honey!”

そして彼は私に両手を出すように言った。

“両手を出してみぃ~, baby!”

“なんなのぉ~, honey. へんなものだったら嫌だからねぇ~。”

“大丈夫だから心配するな, baby.”

そう言われて、両手を出したまましばらく眼をつぶって静かにしていた。なんだろうとドキドキしながらそれでいて、少し怖くて、そんな複雑な思いでいた。すると、何か手のひらに、ふあふあとしたやわらかい毛のようなものを感じた。そして、そのなんだか分からないものが手のひらの上でごそごそと動き始めた。時々何か冷たいものが手のひらに当たったりもした。私はそれがなんなのか、ますます分からなくなった。

“これなぁ~~~んだ, baby?”

“分からないよぉ~, honey. これなぁ~~に?”

眼をつぶったまま、会話をしている間もその物体はごそごそと私の手の上で動いていた。

“でも、これ、さっきからごそごそ動いてるんだけど・・・。”

“だよなぁ~~~。動いてるよ, baby.”

“じゃあ、これ、なにか生き物?”

“だな・・・。”

私は、色々と想像をめぐらし、考えるだけ考えてみたが、さっぱりだった。

“分からないよぉ~~, honey. これなぁ~に?”

”お前が長い間ずっと欲しがっていたものだよ, baby.”

”えぇ~、私が長い間欲しがっていたものぉ?”
”これをぉ~~~, honey?”

”そうだよ。ずっと長い間欲しがっていたと思うよ、baby.”

”いつごろからぁ, honey?”

”もうずいぶんなるかな、そいつにお前が出会って恋をし始めてから・・・。そいつの事をお前はいつも、子犬のような目で見てたのを俺は今でも覚えているよ。帰るぞぉって言っても、後もう少しって言ってそこから立ち去ろうとしないんだからな、お前は・・・。こういう時って、ほんとにずるいよな、女は・・・。”

”えぇ~~~。ずるいってなんなのそれ, honey?私、何にもしてないよ。”

”まあいいや、なんだか当ててみぃ~, baby.”

”後もう少しって言ってそこから立ち去ろうとはしなかったんでしょぉ~、私・・・。”

”だなぁ~。それが一番のヒントだろうな・・・。”

”・・・”

私は、想像をめぐらせ、そういう場所を片っ端から探し始めた。するとその時、ある場所が私の頭の中に浮かんだ。それはいつも彼がネコの餌を飼いに行くペットショップだった。そこで、私が彼に付いて行くたびに、必ず会いに行っていた動物の事を思い出した。

”あぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。それってhoney もしかして・・・。”

”そのもしかしてかもしれないな・・・, baby. 答えを言ってみぃ~~。”

”頭文字に「チ」が付くよね!”

”付くなぁ!”

”分かったぁ~~~~~~~~。分かったよぉ~~, honey. この動物ってチンチラでしょぉ~~~。ペットショップでいつも見てたぁ~~~。”

”眼を開けていいよ, baby.”

そう言われて、恐る恐る眼を開けてみると、私の手のひらには、ソフトボールくらいの大きさのねずみ色した、かわいいチンチラがいた。まんまるい、くりっとした愛くるしい目で私のことを不思議そうに見ていた。

“わぁ~~~、かわいぃ~~~~。”

“でも、なんで買ってきたのぉ, honey?”

“お前があまりにも欲しそうだったからだよ・・・。”

“でも、私、家にずっといないからかわいそうだし、飼わないよって言ったよ!”

“大丈夫だよ, baby. こいつは夜行性動物だから、昼間は寝てるんだよ。だから心配しなくていいよ。仕事から帰った頃に、遊んでやったぐらいがちょうどいいんだよ。それに、来年の夏、俺がいなくなっても、このチンチラを残していけば、お前が寂しい思いをしなくてすむだろう!そう思って、買ってきたんだ。いけなかったかぁ~, baby?”

“ううん、すっごく嬉しいよ!だって欲しかったんだもん、チンチラ・・・。それにそうよね、彼がいてくれれば、honey がいなくなっても寂しくないもんね、たぶん!”

“ちなみにこいつの名前は、トトロ・・・!”

“トトロ?”

“そう、トトロ。お前がいつか言ったろぉ~。トトロが家にいてくれたらなぁ~って・・・。それに、こいつの体の色もトトロみたいな色だし、そう思って帰り道、車の中で名前を考えてたんだ。”

“ふぅ~~ん。それにしてもかわいいねぇ~~~。目がくりっとしてて・・・。見てて飽きないねぇ~~。かわいぃ~~~。ありがとう, honey.”

この夜私たちは、ソファーに座ってしばらく新しいこの家の住人、そして新しい私たちの友達、トトロを見ながら、過ごした。

Love and miss you so much,





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最終更新日  2003年09月20日 19時22分59秒
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