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Dear My Honey,
昨日の大喧嘩から、ほぼ一日がたとうとしている。 私の中では、彼と別れるべきかどうか、まだ結論が出ていなかった。ただ、残りの1%を信じて願うことしか出来なかった・・・。気づいて欲しい、分かって欲しい、私の悲しみを、そして心の痛みを・・・。私が愛した人だから、そういう人であって欲しいと・・・。 そしてまた、ドアをノックする音が聞こえた。私は、自分の中で気持ちの整理をつけ、ドアを開ける決心をした。 “どうしたの。” “話を聞いて欲しい。5分でいいから俺の話を聞いて欲しい。” “5分で何が話せるって言うのよぉ~。分かってるぅ~、私がどれだけの長い時間、苦しんできたのか・・・。それを5分で片付けようっていうのぉ~?ねぇ~?それっておかしいんじゃない!” “とにかく聞いて欲しい。それでも許してもらえないなら、お前の前にはもう2度と現れないって約束するから・・・。だからラストチャンスを俺にくれないか・・・?” 私は、話だけは聞いてあげても悪くないかなぁ~と思い、ドアを開けて、彼を部屋の中に入れてあげた。 “聞いてるから、言いたいことがあるなら何でもどうぞ。” “俺はここに来る前に、前の彼女に電話をしたんだ。2度と電話をかけてくるな。俺はもう2度とお前と会う気はないし、お前ももう俺を頼ってくるなと・・・。それくらいに俺にはお前が必要だし、お前を失いたくないんだ。お前を失うくらいなら、友達ひとり失っても惜しくはないと思ったんだ。それくらいに俺はお前のことを愛しているんだ。それをあの夜、繰り返し繰り返し、お前に伝えたんだ。信じて欲しい、どこにも行かないでほしいという願いと、1%の望みを託して、俺は必死だったんだ。分かってくれないか、俺のこの愛を・・・。お前への俺の愛を・・・。だからお願いだ、行かないで欲しい。お前のためにお前のそばでこれからもずっとお前と一緒に歩いていきたいんだ。そして俺の残りの人生をお前と一緒に生きていきたいんだ。俺の横を歩くのは、他の女性じゃだめなんだ。お前じゃないとだめなんだ。分かって欲しい、この俺の愛を・・・。” 彼の眼が涙で一杯になり、声がかすれていくのが分かった。 “それでも2回目なのよ、わかってるぅ~” “分かってる。よく分かってる。俺がお前を長い間苦しめていたのに気づいてやれなかった事も、お前を守ってやれなかった事も、全て俺の責任だという事も、分かっている。だから、もう一度、もう一度だけラストチャンスをくれないか。俺は、これから先、どんな事があってもお前を守ってみせる。俺の息が耐えるまで、お前を守ってみせる。だから、お願いだ。俺のところに戻ってきて欲しい。俺はお前じゃなきゃだめなんだ。お前なしではもう生きてはいけないんだ。” “その言葉に嘘偽りはないのね。” “ない。” そう言って、彼は私の前に膝まずいた。 “神の前でそう誓うよ。そしてもしも次に同じ過ちを繰り返す事があったなら、この自分の心臓を自分で突き刺してもいい。” 彼は、膝まずいたまま、私の手をギュッと強く握り締め、私の手には、彼の涙がぽたぽたとこぼれ落ちているのが分かった。けれども、私の中ではまだ迷っていた。答えが出せなかった。と、その時、彼は何やらジャケットのポケットから小さな箱を取り出した。 “これがその証だ。お前が言葉だけでは信じられないというのなら、これは俺の全てだ。” 彼がそう言って小箱のふたを開けた。するとその中には、ダイヤのリングが入っていた。 “どうしたの、これ?” “本当は、今年のクリスマスに渡そうかと思っていたんだけど、今になってしまった。” “プロミスリング” “プロミスリング?” “俺はどんな事があっても必ずお前のところへ帰ってくる、そしてどんな事があってもお前を一生かけて守り通す。その約束のリングだ。だから、受取って欲しい。これが俺の全てなんだ。” 私はあまりの早い展開に、言葉を失ってしまった。まさかの喧嘩がこんな結末を迎えるとは思ってもいなかったので、自分でも訳が分からなくなってしまった。 “分かったよ。貴方の気持ちはよく分かったわ。でもこれだけは覚えてて。もう次はないからね。これで2度目だから、次に同じ事をやったときには、言い訳無用だからね。” “もう2度としない。もう2度とこんなことは起こらないから・・・。” 彼の涙が全てを正直に語ってくれたような気がした。彼には“心”があったことをその涙を見て、再認識できた。私は彼を優しく抱きしめた。そしてもう一度、もう一度だけ、彼を受け入れる事にした。この結論が、そしてやり方が正しかったのかどうなのかは、私にも分からないけれど・・・。 帰ってきてくれてありがとう。そして、私を守ってくれてありがとう・・・。 Love and miss you so much, お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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