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2003年10月27日
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Dear My Honey,

私はこれでいいのか、ほんとうにこれでいいのかと、プロミスリングを見つめながら自問自答していた。
人を傷つけたうえに、彼の人生までめちゃめちゃにしてしまいそうな気がしてならなかった。出来る事なら、彼を自由にしてあげたいと思った。それが出来ないなら、私から去ってもいいとさえ、思うこともあった。

そんな中、先週末、私たちは、彼のお母さんの誕生日という事もあって、彼の家に2人で呼ばれることになった。その席での出来事・・・。

私が左の薬指にはめているリングを見逃さないわけがない・・・。来る人来る人皆が私のそばに寄ってくる・・・。そして、私の左手の薬指を覗き込むようにしてリングを見るその目は鋭い・・・。私は、自分の指からそのリングをはずして彼に渡すと、そのリングは次々と人の手へと渡って行った。

“どうしたの、これぇ、J(私の彼)。”

“どうしたのってプロミスリングだよ!”

“あんた、これ自分で買ったの?”

“そうだよ!”

“プロミスリングってどういう意味があるの?”

“エンゲージリングの前・・・。つまり、いつか結婚しようなっていう約束のリング・・・。”

“じゃあ、あんた達結婚するつもりなの?”

“そのつもりだよ!”

“じゃあ、彼女にお給料3か月分の婚約指輪も買う予定でいるんだ!”

“そのために今働いてんじゃんよぉ~~~。”

“そうなんだぁ!”

“そうだよ!”

そんな話が私の目の前で冗談交じりで弾んでいたが、私の耳にはそんな話題など止まる事もなく、それとは反対に、心の中がざわついていた。どうやったら、彼のこの言葉を、彼の言葉として受け止められるのだろうか。全く自信のない自分・・・。彼の人生をめちゃめちゃにしてしまうかもしれない自分・・・。私には彼のパートナーになる資格などないし、私じゃない人がもっと他にいるはずだ。そう思うと、彼や、彼の家族に対して申し訳ない気持ちで一杯になり、みんなの輪の中になかなか入ることが出来なかった。

そこへお母さんが、何やら小さな引き出しを持ってダイニングテーブルのところにやってきた。

“J!これ、亡くなったあなたのお父さんからもらった結婚指輪・・・。あなたが結婚する時に、相手の人に指輪をプレゼントする時にでも、使ってくれればと思って、ずっとしまっておいたの。”

“これ、貰ってくれるかしら?”

“おふくろ、まだ早いからぁ~~~。しまっておいてくれよぉ~~。いるときにはまた頼むからぁ・・・”

“分かったわ。じゃあ、その時まであなたの寝室のたんすの引き出しにしまっておくから・・・。”

そんなこんながありながら、時間が経つのは早く、私たちは帰路についた。

“今日ね、皆が私のリングを見て、冗談を飛ばしたり、きれいねぇ~~~って言ってくれたり、お母さんがリングを見せてくれたりしてたでしょ!でも、本当は皆、どう思ってると思う?”

“おふくろは、いつだったか忘れたけど、俺にちゃんと言ったよ。今までの彼女の中で、お前と俺のカップルが一番お似合いで、一番幸せそうに見えるって・・・。”

“そうかなぁ~~~。こんな私でも?トラブルをいつも引き起こしてあなたを困らせるような女でも・・・?”

“俺もびっくりしたんだけれど、お袋は今まで、俺にすら、亡くなった親父からのリングを見せた事がなかったんだぞ!それをお前にって差し出したんだぞ!っていう事はそういうことなんじゃないんかぁ?俺の家族はお前をもう家族と思って、受け入れてくれてると思うよ、俺は・・・。。だからそんなに気にしなくても大丈夫だよ!もしも、お袋がお前を受け入れていないとしたら、とっくに俺のところに言ってきてるよ!やめた方いいよって・・・。お袋の性格上な・・・。”

“そうかなぁ~~。でも私は、全然自信がないんだもん、あなたのパートナーとして生きていく・・・。”

“人間誰しも完璧じゃないよ!だから今のままのお前でいいよ。そのままのお前が俺は好きだから・・・。ほかの事は気にしなくてもいいから、そのままのお前で、俺のそばにいつもいてくれたらいいよ!分かるかぁ?俺の言ってる事が?”

“分かるよ。でも、こんな女だよ!それでもいいの?そうだと知ったら、家族の皆がっかりするよ!”

“お前は、そんな女じゃないよ!心配するな・・・。”

“やっぱり私には自信がないよぉ~~~。”

“そのままのお前でいいよ。何も変わらなくていい。そのままのお前で充分だよ。だから、俺はお前にプロミスリングを渡す決心がついたんだよ。いつも誰よりも人のことを思うその思いやりと、素敵な笑顔、そしてそのきれいな心。それだけを持って俺のそばにいてくれればそれでいいよ!”

“ふぅ~~~ん。よく分からないけど・・・。”

そこまで言われてもまだ、私には彼の言葉を信じることが出来なかった。それは、自分に全くと言っていいほど自信がないからだということも分かっていたし、そんなに皆から言われ、思われるほどの女性ではないということも、分かっていたからだ。この先どうしたらいいのだろう。私の中での結論はまだはっきりとは出ていないまま、今日も、左手の薬指にプロミスリングだけが輝いていた。

Love and miss you so much,





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最終更新日  2003年11月01日 16時30分41秒
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