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『僕』は、ふと疑問に思った事を口に出してみた。
「今更こんな事を聞くのもなんだけどさ。」 『何?』 「ここは、死後の世界ってやつなんだろ?意外と、普通なんだな。 もっと、ドロドロしてるというか、暗いイメージがあったんだけどさ。」 『…』 「…?」 『貴方は、何も知らないのね。』 「?どういう意味なんだい?」 『いいの。今は何も知らなくて。これを語るのは、私の役目じゃないから。いずれ、分かる事でもあるから。』 「君がそういうなら、聞かない。」 『賢明な判断ね。頭のいい人だという私の予想は、正しかったようね。』 「…」 『どうしたの?』 「僕は、頭のいい人間なんかじゃない。 ただ、無関心なだけなんだ。いや、無関心でもないな。 僕は…関わりたくないんだ。 自分を無理にさらけ出したくない。 自分の事を、知られたくないんだ。 嫌われてしまうのが分かりきっているから。 だから、他人の事も知りたくないんだ。 弱い人間なんだよ、僕は。 だから…全ての事から逃げ出したかったから… 僕は死を選んだんだ。」 『…』 「笑いたければ笑えばいいさ。僕は、君が思っているような人間じゃないんだ。」 『貴方は、そんな人じゃない。貴方は逃げたんじゃない。貴方は、新しい道を自分で切り開いたの。だから、貴方はここにいるの。 貴方の道は、貴方が作り上げていくの。 誰のものでもない、貴方が選んだ道は、貴方が歩いていくのだから。』 ……… 『僕』は、癒されていた。 死の先に、こんなに素晴らしい出会いがあったなんて。 全てが、マイナスに働いていた気持ちが、自然にほどけていった。 ~~~ さて、ここまで『僕』と『彼女』の会話をお送りしてきました。 後1、2回で、物語は新たな局面を迎えます。 『僕』が行く先には、一体何があるのか。 『彼女』は、何者なのか。 1つ目の命題は、もうすぐ見えてきます。 しかし、2つ目の命題は、最後の最後まで明かすつもりはないので。 私はかなりの凝り性なので、おそらくこの小説が終わるのは1年後か、2年後か… まあ、気長に見てやって下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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