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それから、『僕』は歩き続けた。
歩いていくと、後ろからついてくるように、道であったはずの場所が水に戻っていく。 なんとなく、この水に追いつかれたらどうしようなどと考えてみた。 死んでいてもおぼれたら苦しいのだろうか? それとも、なんでもありってことで、水の中でも呼吸が出来るのだろうか? 試してみようとは、思わなかった。 なんだか、面倒だったから。 どれくらいの時間、歩いたのだろうか? 不意に、目の前の景色が開けた。 広い道に出た。 そして、目の前には。 宮殿があった。 中国風のまるで「ラスト・エンペラー」に出てきそうな、壮大な宮殿。 『僕』はその雰囲気に圧倒されながら、進んだ。 ……門番がいた。 おそらく、いや間違いなく、ここの中にいる人を守っているのだろう。 まるで、蝋人形のようにつるりとした顔。 日本人ではないらしい。 顔の造りがまるで違う。 『お待ちしておりました』 不意に、声をかけられた。 『こちらへお越し下さい。皆様、もうお待ちです。』 「待っていた?ということは、僕はここへ導かれたという事だな。分かりました。行きます。」 どうせ、他に行くところもなさそうだ。 『僕』は、彼らについていく事にした。 ~~~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年09月09日 00時09分59秒
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