ﾘｸの運動会。

すごい父兄の数だった。

でもってすごいﾋﾞﾃﾞｵの数。
この中に、「愛子様」でもいるのか？と錯覚するくらいのｶﾒﾗﾏﾝたち。

中には、ﾍﾞﾝｼﾞｮﾝｿﾝでも撮るの？ってぐらい性能のよさそうな望遠ﾚﾝｽﾞ付きのｶﾒﾗをかまえたおじさんもまじっていた。

私も例にもれず、ﾋﾞﾃﾞｵを片手にｴｾｶﾒﾗﾏﾝをきどってました。



しかし、実感。



素人には無理がある。



これだけ、大勢の中から、この遠距離で、自分の子供を見つけるだけでも大変なのに、
そのうえ、ちゃちい性能でズームにすこぶる時間がかかるこの機種で、まともにとれるわけがない。


実は・・・。（というほどでもないけど）

数ある出場種目の中で、「かけっこ」に命をかけていた。


密かに、特訓までしていた。
そんなことしてた人。ほかにはいないよね。きっと。

たかが、年少のかけっこ。
ゴールまで走れたらそれでよし。みたいなそれぐらいのもん。


でも、どうしても一位をとってほしかった。
そう、純粋にそれだけ。

それだけ。





で、その「かけっこ」がいよいよ始まり。

周りには、ものすごい数のｶﾒﾗﾏﾝたちが群がっていた。


たかが３０メートル走。
しかし、みんな必死の形相でｶﾒﾗを構えていた。



私も隙間をぬって、ﾋﾞﾃﾞｵを構える。



が、しかし。


大勢のなかからﾘｸをなかなか見つけられなくて、パニックになり、

やっとﾘｸをみつけたときには、もう順番が次までせまっていて、

しかも、ﾘｸが一つ前の番で、間違えて走り出したりしたもんだから、
パニックに拍車がかかり（もちろん、先生に引き戻された）

ﾋﾞﾃﾞｵをあわてて回しだした時には、ﾘｸはｽﾀｰﾄをきってしまっていた。








結果。




ﾘｸが何位でゴールしたのか。わからずに終わってしまった。


なんてこと。なんて・・・。


ﾋﾞﾃﾞｵのせい。ﾋﾞﾃﾞｵの。

ﾋﾞﾃﾞｵがなかったら、せめてこの目で見れたのに。





しかし・・・・。


もしかしたら、パニックに紛れて、その真相がこのﾋﾞﾃﾞｵに
残されてるかもしれない。



家にかえって、おそるおそる再生してみた。



一体ﾘｸは何位だったのか。


胸が高鳴る・・。



そして
やっぱりそこに答えがあった。




ﾘｸは最初はﾍﾞﾍﾞたからｽﾀｰﾄし、

その後３人をごぼう抜きし、

そして、ゴール近くで最後の２人を抜こうとしたときに

なんと、その二人にぶつかって、そのまま団子三兄弟みたいな状態でゴールしていた。



いやはや。

いかんともしがたい・・・・。



何度見ても、どうみても、残念ながら一位ではなかった。

しかし、
「うん。この走り。この足のあげ方。感動ものだね。年中さんにも負けないよね。」と・・。

何度も何度も巻き戻しして、コマ送り再生してる、親ばか二人。

ここに健在。





ﾋﾞﾃﾞｵに泣いて、ﾋﾞﾃﾞｵに救われた一日。