森でのんびり

調べもそこそこに訪れた安房鴨川。




東京を出たのが１０時過ぎだから


安房鴨川に着いたのは１２時過ぎ。




バス停もよくわからず


バス会社の方にバス停を教えていただいた。




「バス行っちゃったばかりだよ。」と残念そうにおっしゃる。




聞けば、１２時５分に出たバスで、


私が訪ねたのは２５分過ぎ、２０分も過ぎているのに


「今行っちゃった。」と気遣ってくださる。




次のバスは、１４時１５分。




お昼ごはんを食べに


駅前の食堂『ほほえみ』に入ってみた。




店内は、昭和レトロといえばいいのか


時間が止まったような空間が広がっていた。




ほほえみながらお店の奥から


おばあさんがひとり出ていらして


注文を聞いていってくださった。



食堂ほほえみ2010.9.21鯖の味噌煮 posted by (C)あっこ森


おばあちゃんの味がする


美味しい鯖の味噌煮をごちそうになり


付け合せのおかずも味噌風味のナスや


本物の味のするお漬物とお味噌汁と


心が満タンになる、お料理をいただいた。




「これから帰るの？」と


そのおばあちゃんがたずねるので


まさか「これから向かう」とは、言えずに


「これから、まだ１時間ほど


バスを待たなきゃいけないんです。」と言うと


「海に行ってらっしゃい。近いから。」と


勧めていただいた。




距離も４，５分と本当に近くて


十分行って楽しむことが出来て大満足。




ゆとりを持って駅に戻り


観光案内所で帰りのバスの時間などをうかがった。



バスの待合所2010.09.21安房鴨川 posted by (C)あっこ森


そこでもとても丁寧な案内をしていただいて


これで安心して向かえると


バスの待合所で、のんびりとバスを待っていた。



バスの待合所２010.09.21安房鴨川 posted by (C)あっこ森


すると最初のバス会社の方が


わたしを探して待合所に入っていらして


「よかった。戻ってこないと思って心配していたんだよ。」と


笑顔で迎えてくださる。




さらに続けて


「バスの運転手さんに帰りのバスの時間を習うんだよ。」と


付け加えてくださった。




バスの時間になると


またその方はわたしを呼びにいらしてくださって


わたしは、間違うことなく予定のバスにのりこむことができた。



市内バスにゆられて2010.09.21安房鴨川 posted by (C)あっこ森


バスに乗り、３０分ほど揺られて下車するとき


運賃箱に投げ入れたコインがあろうことか


バスの外の草むらにまで落ちていった。




少しバスに待ってもらって拾って


もう一度いれさせてもらう。




その様子ですっかり運転手さんは心配して


「お嬢ちゃん、棚田に行くの？道わかる？」


と「完全に子ども扱い」をされつつも


「いいえ。まったくわかりません。」と答えると


指を指しながら


「看板あるからそれに沿っていけばつくよ。」と


優しく教えていただいた。




ルンルン気分で棚田を目指す。



藁もひなたぼっこ2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


今日は、ここにくるまで


いったい何人の方の厚意を受けただろう。



もうすぐ咲くよ2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


なんだか、幸せな気持ちになる街だなぁ…


棚田に着く前だというのに、すごく気分がいい。



柿色づく2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


棚田で写真を撮っているとひとりの年配の女性が


「そのカメラ、マクロ撮れるの？」と


興味津々で近づいていらした。



猫じゃらしのかぐや姫ごっこ2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


「ハイ、撮れます。」と答えると


「すごいのね。今のコンパクトは。マクロも撮れるの。」


しきりに感心しまくっていらした。



棚田でひなたぼっこ2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


会釈してわかれて、もう日も暮れてしまうと


棚田を発とうとしたところ、先ほどの年配の女性が


車から降りていらして


「どうやってきたの？歩いてきたの？」


「バスで来ました。」


「バスで来たの。ちなみに、なんていうバス停？」


「釜沼です。」


「すごいね～～よく調べてきたね。


おばちゃんたち夫婦これから街に帰るだけどよかったら


車に乗っていかない？送っていくよ。」


と声をかけていただいた。



棚田を楽しむ2010.09.21大山千枚田 posted by (C)あっこ森


しかし、さすがにどんなにいい方でも


知らない人の車に乗るのには、ためらいがあり


「まだ写真も撮りたいので、せっかくですが…。


歩いても１０分ぐらいですから、大丈夫です。


ありがとうございます。」と会釈して別れた。




知らない人にたくさん親切にされる


不思議な一日が、すごく嬉しく感じられた。




突然、思い立って出かけた棚田だけれど


また季節をおって、出かけてみたいな。




どうして、こんなに厚意を受けることが続いたのか…


幸せな気持ちに満たされています。




写真は９月２１日に安房鴨側＆大山千枚田にて撮影しました。

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