ネコちゃんとにらめっこ2013.07.29池袋 posted by (C)あっこ森
母さんは言いました。
「ほっつりほっつり、食べるのよ。」
ほっつり？
食べる？
わたしたちは、採れたてのキュウリをかじっていた。
母は、昔懐かしい実家の屋敷を囲んでいたお堀に
（今、考えるとお堀がある家ってすごいな。）
魚とりのしかけで獲れた、ある意味、産直の
魚を食べていた思い出を話してくれた。
「お母さんは、うなぎとかも普通に食べていたんでしょ？
別に高いものって感覚じゃなくて
“獲れたから食べる。”っていう感覚で。」
「そうなの、いろいろ獲れたのよ。
うなぎもそうなんだけれど
一番おいしいのは髭の生えた…」
「おじさん？」
「…じゃなくって、ナマズ。」
「へ？東南アジアみたいじゃない。
まぁ東南アジアだけれど。」
「どうやって食べるの。」
「おじいさんが、焼いてから、軒先に干すのよ。」
「きっと水が多いから腐らせない、工夫なんだろうね。」
「干したのをね、こうやって
（手でつまんでいるカッコをしながら）
ほっつりほっつり食べると、美味しいのよ。」
「“ほっつり”？“ほっつり”って何？
インターネットで調べてもぜったい出てこなそう。
詩人のアーサーさんに聞いてみようかな、
擬音語大好きだから。
ほっつりって聞いたことありますか？って。」
母はたいした訳しもせずに
「ほっつり美味しいのよ。」
とまた言う。
「なまずを焼いて干したものにだけ言うの？
“ほっつり”って。」
「そう。なまず限定！」
恐るべし上州言葉。
なまずを食べたことがある世代は
おそらく限られる。
そのなかでも焼いて干したものを
食べるときにだけに使うという
「ほっつり」。
うなぎより美味しいという、「ほっつり」旨い世界
のぞいてみたいな～。
ネコちゃん2013.07.29池袋 posted by (C)あっこ森
写真は７月２９日に池袋にて撮影しました。
東京在住、
撮影は自宅から自転車で行った場所が中心です。
ごく身近な自然に目を向けています。
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