イライラして、友だちに八つ当たりして
一方的に叩いてしまった６歳の女の子がいた。
しばし、わたしとお話タイム。
「なんでなんにもしていないお友達を叩くの？」
とわたしに聞かれても
「悪くない」と言い張って
お友だちに「ごめんね。」が言えない状態。
お話を聞いている間にますます自暴自棄になって
興奮した様子で
「わたし、ごめんね言って。自殺する。」
そんなふうに騒ぎ、泣き出した。
興奮状態の彼女を抱き上げて
ひとりで静かになれるところに連れ出す。
しっかりと抱いていると
少しずつ呼吸が整ってくる。
落ち着いてきて
自分からわたしの首に手を絡めて
ギュッとつかまってきた。
もうひと呼吸おいて
お話をもう一度始めた。
「わたし誰からも必要とされていない。」
と彼女は、嘆いた。
「だから、自殺する。」
「ママやおばあちゃんが寂しがるよ。
死んだら会えなくなっちゃうんだよ。」
６歳の子に、死の話をなんとしようか…
言葉を探す。
話しながら、彼女の心の痛みが突き刺さるようで
あまりに悲しくなって
こっちがつられて泣きそうになる。
「あっこぉの手伝いしてくれる？」
そう、話を切り替えてみた。
彼女は、うなづく。
「あっこぉね、紙コップで
お花を育てる計画を立てているの。
たくさん育てようと思っているんだけれど
まだ４つしかできていないの。
だから助けてくれる？」
「うん。」
小さくうなづく彼女を抱きながら、
紙コップを手に、ベランダへ。
便所サンダルって呼ばれそうな
茶色いサンダルに履き替えてベランダへ出てもらった。
紙コップを４つだして、名前を書いたり
底に穴を開けたり、土入れの目安のラインをひいたり
彼女と一緒に作業をする。
「紙コップに、それぞれパンジーとビオラって書いてね。」
彼女が、マジックで可愛らしい字を書いてくれた。
わたしが作っておいた見本を真似て
日付もちゃんといれてくれる。
紙コップの2/3に培養土、
そのうえ1ｃｍに種まき用土を覆い
霧吹きで水をやり、
それから、けしの実よりちいさなビオラやパンジーのたねを
わたしの手のひらに一旦うけて
彼女に紙コップ１個に、一粒ずつ
種まきをしてもらった。
種袋に描かれる絵を指さしながら
「花を見せて」とせがむ彼女に
その絵を見せると
パンジーとビオラが似ていることに
感嘆の声をあげていた。
「きれいなお花が咲くのが楽しみね。」
そう声をかける。
「うん。」
「あっこぉの手伝いをしてくれてありがとうね。」
「うん。」
「お花が咲くように
毎日、水やりが必要なんだけれど
毎日、水やりしてくれる？」
「うん。」
かわいい。やっぱり１年生。
とっても素直。
ほとんどこの約束がしたくて
この作業を始めたようなものだった。
さっきまでの自殺願望は、スッと消えて
明るい表情に。
反抗するために「わたし食べない。」と
さっきまで嫌がっていたおやつ。
逆手にとって、声をかけてみた。
「お手伝い頑張ってくれたから
ご褒美におやつをあげようかな？」
満面の笑みで「うん。」とうなづく彼女。
やっぱりかわいい。
６歳で死のことをよく理解しないまま
ほんとうに死んでしまうことを選択しないように
わたし、必死。
強がりなんだろうな。
謝りたくないもの、やっぱり。
だから、死にたくなっちゃったんだよね。
びっくりしたのは、叩いちゃったお友だちのお母様が
お迎えにいらしたときに
彼女は自分から「ごめんなさい。」と謝りに行き
事情を話し、心から謝罪をしていたこと。
そのママも「話してくれてありがとうね。言っておくね。
えらいね、自分からお話してくれたんだね。」と
優しく包み込んでくださった。
そして、そこに現れた叩いてしまったお友達にも
わたしが謝れと言ったわけではないのに
自分からちゃんと謝っていた。
成長してるなぁ…。
しみじみそう感じる出来事でした。
今季最大の大きさに成長するジョロウグモ2014.1019小金井 posted by (C)あっこ森
写真は１０月１９日に小金井公園にて撮影しました。
東京在住、
撮影は自宅から自転車で行った場所が中心です。
ごく身近な自然に目を向けています。
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