カテゴリ:美術館博物館
2024/10/29 予告が出てからずっと楽しみにしていたはにわ展! 挂甲の武人が国宝に指定されてから今年で50年。その節目の記念すべき特別展。 昨年はトーハク創立150年記念特集で「はにわ展から50年」という企画展示もあったりして、埴輪熱高まってます。 第一展示室 〜プロローグ 埴輪の世界〜 埴輪踊る人々が2022年1月から解体修理に入り、2024年3月末に修理完了。今回のはにわ展が修理後の初お披露目! なんだけど、写真は撮るのを忘れてしまった。まぁ今後常設展示で見る機会もあるだろうから。 「踊る埴輪」解体修理動画 東京国立博物館 ↑これ見ると彩色の時に、全く同じ色に塗るのではなく、どこが復元されたところかわかるように塗っている。とても細かい作業。すごい。 〜第1章 王の登場〜 古墳時代前期(3〜4C)の王は司祭者的な役割で、宝器を持つ。 古墳時代中期(5C)の王は武人的な役割で、武器や武具を持つ。 古墳時代後期(6C)の王は官僚的な役割で、金の馬具や装飾付大刀を大王から配布される。 ここに展示されているのは国宝のみ。トーハクの考古展示室には江田船山古墳出土の国宝がしれっと常設展示されているので、トーハク以外のものを。 上<金銅製鈴付大帯>高崎市綿貫観音山古墳出土 古墳時代6C 下<金銀装頭椎大刀>高崎市綿貫観音山古墳出土 古墳時代6C 上の帯は鈴付なのはこれ1点のみだそう。 〜第2章 大王の埴輪〜 ここはヤマト王権を統治していた大王の墓、天皇の系譜に連なる大王の古墳ゾーン。 宮内庁が管理しているものは写真はNG。 今回の展示で一番だったのはこれ! <円筒埴輪>重要文化財 奈良県桜井市メスリ山古墳出土 古墳時代4C 日本最大の埴輪!高さ242センチ!口縁部の径が150センチ!でかい、大きい、すごい!こんな大きい埴輪をどうやって成形してどうやって焼いたのか、すごい気になる。 〜第3章 埴輪の造形〜 初期の埴輪は円筒埴輪が主。古墳の周囲をぐるっと囲むように円筒埴輪を立て並べていた。神戸市の五色塚古墳は2200本もの円筒埴輪が並んでいたそう。ということで円筒埴輪色々。 左上<鰭付円筒埴輪>神戸市五色塚古墳出土 古墳時代4C 中上<円筒埴輪>国宝 天理市東大寺山古墳出土 古墳時代4C ベンガラで赤く塗られている 右上<円筒埴輪>奈良県三宅町石見出土 古墳時代5〜6C この印は窯印ではないかとのこと 左下<円筒埴輪>愛知県春日井市味美二子山古墳出土 古墳時代6C 須恵器の工人が関与したのではないかとのこと 中下<顔付円筒埴輪>前橋市中二子古墳出土 古墳時代6C 上から2段目までしか残っていない、目もほとんどが復元なんだそう。 右下<鰭付楕円筒埴輪>奈良県天理市東殿塚古墳出土 古墳時代3〜4C 船の絵が線刻で描かれている。 <船形埴輪レプリカ>国宝 松阪市宝塚1号墳出土 古墳時代5C これ、4月に新指定国宝で見たやつ!細部まで細かく作られてて、すごい。 <馬形埴輪>鈴鹿市石薬師東古墳群63号墳出土 古墳時代5C 首の左右に振り下ろされたタテガミもしくはふさ飾りがかっこいい。 <旗を立てた馬形埴輪>埼玉県行田市酒巻14号墳出土 古墳時代6C これ「埼玉考古50選」で見たやつ!鞍から筒のようなものが伸びていて、そこに旗が付いている。で、この筒の部分は蛇行状鉄器といって最初はなんなのかわからなかったのだけど、この埴輪が出土したことで使用用途がわかったそう。蛇行状鉄器は考古展示室にあるやつ。将軍山古墳出土。 とここまでで1時間くらい。 続いて第二展示室へ 〜第4章 国宝挂甲の武人とその仲間〜 国宝挂甲の武人には同じ工房で作られた可能性が高いよく似た埴輪が4体あって、今回はそれが勢揃い!広い空間に5体の埴輪が並んでる贅沢な空間。 みなさん写真を撮ろうとしてるので(もちろん私も撮りましたが)180度見られるのだけど、裏から見るのがちょっと気が引けたけど、お互い様ですよね!って感じで見てきました。それぞれの埴輪の後ろに顔のアップがうっすらとあってかっこいい。 今回の展示でそれぞれに異名というか呼び名がついてるのでそれを紹介。 55「サムライのルーツ」国宝 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代6C 56「地元・群馬はオレが守る!」太田市成塚町出土 古墳時代6C 57「最後に誕生した!?末っ子」重要文化財 太田市世良田町出土 古墳時代6C 58「庇が深い恥ずかしがりや?」伊勢崎市安堀町出土 古墳時代6C 59「アメリカから里帰り」太田市出土 古墳時代6C 図録によると、58と59は1体分の破片から2体を復元したのではないかという疑惑が持たれている、らしい。 国宝挂甲の武人を解体修理した時に、詳細な分析が行われて、実際には白、赤、灰の3色が全体に塗り分けられていたということがわかったそうで、これはその彩色復元。 他の埴輪にも赤い色が残ってるのとかあるし、作られた当時は色鮮やかだったんだろうな。 〜第5章 物語をつたえる埴輪〜 円筒埴輪に加えて、動物埴輪や家形埴輪、古墳時代後半になると人形埴輪が登場。祭祀の様子や狩猟の様子などが埴輪や配置などで伝えられるようになる。 左<盾持人>鳥取県米子市井出挟3号墳出土 古墳時代5C 古墳を守る役割 右<力士>厚木市登山1号墳出土 古墳時代6C 力士は四股を踏んで地を沈める役割。トゲ付沓がすごい。 <二人童女>栃木県足利市熊野古墳出土 古墳時代6C これは左がトーハク所蔵、右が足利市ふるさと学習・資料館所蔵。別々に所蔵されていた二人が今回久しぶりに一緒に展示。 左<あぐらの男子>高崎市綿貫観音山古墳出土 古墳時代6c 鈴付の大帯をつけているので大王ではないか。 右上<ひざまずく男子>茨城県桜川市青木出土 古墳時代6c 鹿耳のついた冠をかぶっている。しかのこ? 右下<ひざまずく男子>太田市塚廻り4号墳出土 古墳時代6c <家形埴輪>大阪府八尾市美園古墳出土 古墳時代4c 壁には線刻で盾が描かれ、中にはベッド状の段が見える。儀礼の場を表しているのではないか。 動物大行進!って感じの空間。 右上<鹿形埴輪>伊勢崎市剛志(上志士)天神山古墳出土 古墳時代6c これ、ハニどぐ展で担がれてたやつに似てるんだけど、でもハニどぐ図録見ると彫刻の説明には動物埴輪としか書いてないし、参考にした雑誌には犬形埴輪って書いてあるから、あれは犬なんだろうな。いやでも似てる。 右下<鶏形埴輪>栃木県真岡市鶏塚古墳出土 古墳時代6c すっごいリアルな鶏!正直こんなにリアルに作れるのにあえて簡略化した形で作るのは量産しないといけないからだったりするのかな。 〜エピローグ 日本人と埴輪の再会〜 飛鳥時代に古墳は作られなくなり、それに伴って埴輪も消えてしまう。しかし江戸時代に考古遺物への関心が高まる。 ここから先のことが、東京国立近代美術館でやってるハニどぐ展なんだな。 上左<首飾をする女子>右<頭巾をかぶる男子>港区芝丸山第8号墳出土 古墳時代6c 東京の芝公園内にある古墳から出土した埴輪。古墳、見に行こう。 左下<両手を挙げる女子>水戸市愛宕町出土 古墳時代6c 画家斉藤清がモデルにした埴輪 右下<帽子をかぶる男子>葛飾区柴又八幡神社古墳出土 古墳時代6c おぉ!寅さん埴輪トーハクデビュー! <武人埴輪 模型>吉田白嶺/作 大正元年(1912) 明治天皇が眠る伏見桃山陵に「御陵鎮護の神将」として奉献されたものと同じ型で作られたものだそう。これはハニどぐ展では写真と絵葉書が展示されていた。これかぁって感じ。飛鳥時代以来久しぶりに古墳作るとなって、どんな埴輪を作ったらいいのか考えた結果がこれだったのだろうな。 ということでたっぷり2時間近くかかってみました。実際の古墳の写真がドーンと壁に展示してあったり、装飾もとても良かったです。戦隊ヒーローっぽい挂甲の武人とか。 そしてグッズ売り場でもぐるぐる何度も回って買ったのがこちら。 図録とクリアファイル、飴入り缶2種、アクキー、フェリシモの国宝金製耳飾風イヤリング。 そして本館のショップで本を2冊。で、なんかこっちも新商品が色々あって。アクキーとかぬいぐるみとか、なにそれちょっと待ってよって感じで。 で、踊る埴輪、馬形埴輪、銅鐸、遮光器土偶のデザインがそれぞれイヤリング、ピアス、ネックレス、リングとありまして。しかもお手頃価格。踊る埴輪のイヤリングを買ってしまいました。 特別観覧券まだあるんだけど、もう1回行こうかな、どうしようかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.03 15:27:57
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