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カテゴリ:本
地球が最期を迎えようとしているかのような、砂漠と化した未来の世界。 そこに『大和小学校』の子どもたちは放り出されてしまった。 頼りとすべき大人たち(教師たち)は既にこの現実に耐えられず自殺するか、 関谷に殺されてしまっており、全く子どもたちだけで生き抜いていかねばならない。 で、飛びきり勉強が出来るわけではないが、決断力と人を引っ張る力がある翔を 『総理大臣』に任命し、以下各大臣を能力に応じて選任し、ひとまずこの未来世界で なんとか生き抜いていこうと涙ぐましい努力をはじめるわけです。 しかし、学校だけに食料も水もそんなにないんですよね。 そこにきて、さすがは楳図先生。 色々と子どもたちを苦しめる材料もたんまり用意してました。 派閥抗争や仲間割れ、怪虫の襲撃にペスト(!)の流行。 食糧や水の枯渇にスモッグの発生や火山の誕生などの天変地異。 さらには盲腸の手術まで・・・ (小学生が盲腸の手術をやるマンガはこれ以外に知りません) 日に日に子どもたちは飢餓でやつれていき、目の下にはクマが・・・ 当然グロいシーンも凄いです。今では描けないんじゃないかと思うような場面も。 小学生同士の殺し合い、果ては人肉食まで・・・ でも、要所要所で翔は『過去』にいる母と交信しつつ危機を克服していきます。 この際に描かれる母の姿は、もう涙なしには読めませんね(涙) そして、もうダメなのか・・・と思わせるラストの方で明かされる衝撃の事実!! なぜ学校は未来へとタイムスリップしてしまったのか? 犯人は誰なのか? ・・・そして、生き残った翔たちは過去へ戻れるのか?? もうね。最後は涙が溢れました(涙) 僕たちは未来へまかれた種なんだ! このセリフはずっとずっと印象に残りました・・・ 最後の余韻が素晴らしい出来でした。 この作品は、確かこんなフレーズだったと思います。 明日なき人類の行く末を警告する衝撃の書!! 大人になったら、絶対に未来の分まで使いすぎないようにしよう、と思ったものです。 人間の悪意と傲慢、友情と連帯、愛と勇気と希望。 あらゆる要素を込めて一気に読ませるその手腕。 これを描いた楳図先生は本当に凄いと思います。 (最近では家の改装でモメ事起こしてるようですが・・・) とにかく一度読まれることをオススメ致します。 (あ、ちなみに『わたしは真悟』も超おすすめっす) そういやこれって何度か映画化されてるみたいですね(ドラマも?) ただ、登場するのが小学生だからこその作品なので、 ちょっと見る気はしませんねえ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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