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カテゴリ:本
数年前、爆発的にヒットした『世界の中心で、愛をさけぶ』。
『セカチュー』と呼ばれ、一世を風靡したのは記憶に新しい。 で、今では『カラキョー』が静かなブームなのだそうで。 『カラキョー』って一体何のこと?? ご存知でない方はちょっと考えてみて下さい・・・ 『出版ニュース』という雑誌があります。 もう10年くらい定期購読をしている出版業界についての専門雑誌です。 その最新号を昨日購入したのですが、出版業界の厳しさを反映した記事に目が止まりました。 どうやら今期も出版界全体では売上が対前年マイナスになりそうだとのことでした。 10月までで、既に3%もマイナスしているそうです。 1996年以来11年連続のマイナス成長。 1996年といえば、私が入社してまもなくの時期です。(あの頃はヒヨコだった・・・) その頃から(もしくはもっと前から?)既にこの業界は斜陽化していた。 今年は『女性の品格』や『ホームレス中学生』などのミリオンセラーが出ましたが、 それでも間に合わなかったようですね。残念。 (『ハリポタ』の発売は来年夏だし・・・) でも、売上がマイナスだからと言ってお給料もマイナスになってしまっては困るので、 他のところで売上をつくったり、経費節減をしたりしてなんとかやり繰りしているわけです。 ただ、ネガティブな話ばかりをしていると、若い人たちがこの業界の将来に不安を抱いて しまうかも知れませんね。そうすると、優秀な人材が集まって来ないかも知れない。 そうなるのが一番怖いですね。そういうダメ業界の代名詞みたいにはなって欲しくないなあ。 でも、良く考えて見ると、このブログで散々ダメ出ししてたような気もしますが(笑) とにかく前向きでいくしかないっす。 前向きな材料のひとつとしては、ケータイ小説の大躍進が挙げられます。 全国の本屋で俄かに『ケータイ小説』コーナーが設置されていますよね。 店頭で見ていると、主に女の子を中心にそれまで『活字離れ』が叫ばれていた層が、 熱心に本を探している姿を見受けます。 敢えて『紙』の媒体で手元に置いておきたい、という意識を感じます。 まだまだ本屋も捨てたものではないなと思う瞬間です。 そして、出版ニュースの記事にあった『カラキョー』。 これ、何のことか分かりました?? 実はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』のことなんです。 略して『カラキョー』(誰が最初に言ったんだか 笑) そう、こんな古典的名作が今、静かなブームなのです。(ホントに売れています) 特に昨年から刊行されている光文社の新訳のシリーズ↑が特に好調とのこと。 光文社版『カラキョー』は50万部を突破したということですから、充分に『売れている』 と言えると思います。 なんでも、昨今のベストセラーに見るように、『軽薄短小』が主流の中、 こういう『教養』に入る作品が少しずつ復権しているのだそうです。 そういや夏に実施した『ナツイチ』フェアの時も、集英社の『人間失格』が凄く 売れていました。(今でも売れているんだな、これが。) どちらも現代語で読みやすくなっているのが特徴ですね。 再び古典的名作に光が当てられるというのは大変喜ばしいことだと思います。 言ってみれば人類の資産ですからね。こういう作品は。 年に6万点だか7万点だかの洪水のように発売されては消えていく新刊本。 そんな洪水にも流されない、しっかりと根を張った作品群をきちんと店頭でもご紹介 していきたいですね。 そのためにはまず店員さんが勉強しないとね(笑) (年末進行で新入荷が多いからといって、こういう本を返本しちゃダメよ) おまえもな~というツッコミも聞こえてきそうですが。 頑張ります(笑) あ、ちなみに『出版ニュース』は専門誌なので、 一般の書店の店頭には並んでいないと思います。悪しからず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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